生垣一つで家の個性が変わります。じっくり考えましょう。
ただし珍しい木を使ったり、他では使っていないような樹木で生垣を作る場合、その樹木の性格をわきまえてから使用しましょう。
多く用いられている樹木には、使われている理由があるからです。
また、低木と高木を組み合わせた2段垣や、塀や石組みと合わせて生垣を作ることも多いです。
視野を広げて探してみましょう。

材料・情報
生垣百選 その2

○サツキ(サツキツツジ)

常緑広葉樹。日陰でも育ちます。低い生垣を作る場合の定番です。虫は付きづらいですし、強いです。
サツキとツツジは別物のように捉えられがちですが、サツキはツツジの園芸品種です。
ツツジ類の中では一番葉が細かく密になり、刈り込みにも強い生垣向きの性格なので特別に分けて掲載します。

 一番手前で低い生垣を形成しているのがサツキです。
このように、奥への目線を遮らず、仕切り代わりに使うには大変重宝します。徒長枝が伸びることもなく、毎年刈り込むことで大きさも調整できます。

 カイズカイブキとの二段垣として、サツキを使用。
ガレージと庭を仕切ります。
長く伸びることがないので、年一回の刈り込みだけで車を止めても邪魔になりません。
ツツジ類の中では乾燥にも強く、このような場所や門の前の植え込みなどには、サツキが一番適しています。花を咲かせたいなら、6月中に刈り込むことをお奨めします。

 生垣に用いられる品種のサツキの花は、変化が少なく面白みは少ないですが、葉がほそめで細かいものは、サツキしかありません。花がない次期でも葉が密に生えることで全体の見栄えがよく、アクセントとして色々な用途に利用可能です。

 意外ですが、冬は赤く紅葉します。

常緑広葉樹。日陰でも育ちます。数え切れないほどの品種を持ちます。落葉するものもありますが、下枝が枯れやすく生垣には向きません(ただし使うことは可能です)。使用する品種によって性格が変わりますが、大概が久留米ツツジ類と、平戸ツツジ類の2種類を使用します。どちらも虫に強く、刈り込みにも耐えます。

○ツツジ

久留米ツツジ;

 一般に、葉が丸めで細かいものが多いです。上方には伸びやすいですが、成長させていかないと全体を密にするのは難しいです。そのため、両面を押さえ込み薄く作ったり、フェンスと併用して先に外側だけを密にするように仕立てたりします。

久留米ツツジ’日の出’の花と葉

平戸ツツジ;
 葉は薄く大きいのが特徴。中には葉裏がネバネバするものもあり。特に平戸ツツジ’オオムラサキ’は、日陰でも花持ちが良く葉も密になり刈り込みに強いので、生垣特にサツキより大きな生垣を作りたい場合に利用されます。
ただし葉が大きいため、出来は大味に見えます。 

 公園や工場の植栽でも、必ずといっていいほど使われます。
背丈を越えるほどの高さの生垣にすることも可能です。
写真は平戸ツツジ’オオムラサキ

常緑広葉樹。日陰でも育ちます。葉は丸みを帯びた光沢と厚みのある、見栄えのする形をしています。
萌芽力があり、刈り込みにも耐えます。ハマキ虫がつきやすく注意が必要ですが、たとえ丸坊主にされても新芽があればまた吹き返す力を持っています。

○モッコク

 背を高くできるので、塀の上から列植にして形をとって使うことが多いです。我が家のお客様はみなこの形ですが、一枚の壁として使用することもできます。

 もともと庭木の中でも’格’のある木です。葉質もきれいです。
花が咲き、実が成ります。

常緑広葉樹。日陰でも育ちます。葉は大きく光沢があります。大気汚染にも強く防火樹にもなるので、シラカシと並び関東では昔から使われてきました。刈り込みに強いのですが、虫は比較的つきやすいです(枯れませんが)。
名前の由来は、サンゴのような細かい赤い実が数珠つなぎになることから来ています。

○サンゴジュ

 壁にせず、列植で植え込む利用もあります。
葉が大きいため、2m以上の高さにしないと見栄えはよくありません。

常緑広葉樹。日陰でも育ちます。葉は細長く、斑入りや黄色いものもあります。全体に虫はつきづらいです(若干場所により発生があります)。成長はよく、強剪定にも耐えます。根が四方から張り出すので、生垣以外の場所は根を抜きましょう。
たまに新タケと入れ替える手入れをすると長持ちする生垣になります。

○タケ&ササ類

 タケとササの区別は学問上あるのですが、名前をつけた段階で混じってしまっているので、ここでは触れないことにします。どちらにせよ、管理できない大きさになるものは避けましょう。
左は定番オカメササ。

 変り種の生垣に思われがちですが、意外とタケ&ササを利用した生垣も目につきます。今回は間に合いませんでしたが、お客様の蕎麦屋さんの漆喰塀越しのダイミョウチクの列植生垣も大変風情があります。使い方次第で洋風ガーデンにも合いますよ。

常緑広葉樹。日陰にも耐えます。葉は薄く、丸みがあります。最近のガーデニング人気で取り上げられる庭木です。
特に下枝が密になりづらいため、ロウソク状に仕立て列植にすることが多いでしょう。花が赤いベニバナトキワマンサクが人気種です。ただし、枝先は伸びやすく樹形が荒れやすいので小まめな手入れは必要です。虫は比較的つきづらいです。

○トキワマンサク(ベニバナトキワマンサク)

 トキワマンサク自体は昔からあったのですが、ここ数年よく取り上げられるようになりました。きれいに一枚壁に仕立てたものも素敵です。
ただし幼木を植えたときは左のように見栄えが今ひとつですので、成長を楽しみましょう。強い木で、成長も早いので手入れをしながら大きくしてください。切るほうが出来が早くなります。

常緑広葉樹。日陰にも耐えます。ツゲの園芸品種ですが、葉はツゲより明るく柔らかで品が良いです。刈り込みにも強く場所を選ばず使えます。ただし比較的虫が付きやすく、葉を食害され見苦しくなっているものを良く見かけます。
そのため、使用には敬遠されがちですが、管理がしっかりできれば使って損のない樹木です。

○ボックスウッド

常緑広葉樹。日陰でも育ちます。細めで光沢のある葉がかわいいです。虫はつきづらいです。刈り込みにも耐え、切り口の香りは柑橘系(個人的感想)の香りがして好きです。もともと宗教色が強く、寺院や墓地に植えられました。
この生垣もお得意様の寺院のものです。花が咲き、実も成ります。

○シキミ

常緑広葉樹。日陰でも育つので、北側の目隠しにも使われます。虫、病気が発生することがありますが枯れることはありません。サカキ、ヒサカキは神棚にお供えすることもある木なので、生垣として利用しながら使う方もいます。

○ヒサカキ(他にサカキ、ハマヒサカキも使う)

 萌芽力があり、刈り込みに耐えます。
大気汚染にも強く、ハマヒサカキは低生垣として道路や海岸でも使われます。

常緑広葉樹。日陰でも育ちます。光沢ある小さめの葉は、昔から生垣として使われてきました(最近は減りましたね)。
虫が付きづらく、刈り込みに耐えます。モチノキとは別種です。

○ネズミモチ(トウネズミモチ)

常緑広葉樹。日陰にも耐えます。肉厚で細長い葉を持ちます。虫はつきづらく、刈り込みにも耐えます。大気汚染にも強く、道路や海岸沿いの植え込みにもよく見かけます。

○シャリンバイ

 別種ですが、トベラも同じように強い木なので生垣として利用されます。

独特の花がかわいいです
ベニバナトキワマンサク

常緑広葉樹。日陰でも育ちます。のこぎり状の大きめの葉です。深い緑色から斑入りの葉まで多様です。虫は付きづらく、生命力が強いので、どこから切っても何とかなります。雌雄異株で雌木は赤い実が成ります。

○アオキ

 葉の白っぽいところは全て模様です。たまに模様が出るのもアオキの面白いところでもあります。

 模様が出かけている葉と実です。

常緑広葉樹。日陰でも育ちます。虫もつきづらく、枝先が良く伸びるので刈り込むと生垣らしくなります。
ただし、花を見たい場合は先端を切らないようにしないと花芽がなくなるので注意が必要です。
どの木も強いので、よく道路の低木の植え込みで使われています。

○キンシバイ(同じ扱いでアベリア、ビョウヤナギ、ハクチョウゲなど)

 樹形は荒れやすく、下枝がなくなってきますので、支柱などで誘引してあげながら時間をかけてつくるときれいに仕上がります。仕上げれば刈り込みでも管理可能です。

 仕切り代わりの低生垣として使用します。樹形をとるなら、花数は我慢です。
葉もかわいいですよ。

アベリア

ビョウヤナギ

ハクチョウゲ

落葉広葉樹。日陰にも耐えます。花を楽しみたいなら、こちらの方が枝の脇にも花芽がたくさん付くので向いています。
樹形が荒れるほど良く伸びるので、刈り込みはかかせません。落葉樹の欠点として、テッポウムシに入られやすいので注意が必要です。

○ユキヤナギ(同じ扱いでレンギョウ、ボケ、ヒュウガミズキなど)

 冬このように刈り込んでも、花芽は残せます。写真の枝のプツプツした突起全てが花芽です。ある程度厚みをつけないと、下枝がなくなってしまい見栄えが悪くなります。

白いユキヤナギの花

赤いボケの花

常緑広葉樹。日陰でも育ちます。こちらも昔から使われてきた樹木です。光沢のあるのこぎり状の葉をしています。
花や実にも味わいがあり、四季を楽しめます。刈り込みにも強いですが、チャドクガには注意が必要です。

○チャ

 一般家庭での利用は減りましたが、今でも畑の地境や道路との境界に利用されていて、我が家の周りでは結構見かけます。また、地域によってチャで垣根を作ってあるところやネズミモチ、タケを利用しているところなど、あちこち歩いているとその地域差が面白く感じます。

 昔は自分でお茶も作ったそうです。
今でも趣味で作る方もいますね。

 ヒサカキは、サカキが育たない地方では重宝がられています。サカキより葉が細かく、実が無数に成ります。

落葉系の生垣素材例

ツツジ’黒船’

アジサイ

レンギョウ

 ここに掲載したのは一例です。使いたい樹木の性格に合わせて列植にしたり、出来るだけ支柱などで誘引してあげれば、オリジナルの生垣を作るとことも可能でしょう。
低生垣であれば、思ったより簡単に仕上げられると思いますよ。

花も、実もかわいいです。

常緑針葉樹。日陰にも耐えます(ただし成長すると枯れこみやすい)。虫はつきづらいです。成長が早いので手入れはかかせませんが、管理は意外と楽です。ヒノキ類と違った硬く、丸い葉をしています。

○スギ

 最近は花粉のない種類も作られ、切り替えられていますね。
伸びが良い分、高めの垣根として列植風に手入れすると風情も出て、見栄えがよいです。

相嶋造園

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