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虫の発生にご用心

害虫という言い方は、人間勝手なのでしたくありませんが、樹木を守る仕事をしている以上、そして人間を中心として考える以上見過ごせない虫の発生があります。
ここでは、特に人や樹木にやっかいな、代表的虫たちを紹介します。

以前でしたら、「この木は虫がつかないんですよ。」
といえた木も、今では「この木は虫がつきづらいですよ。」としか言えません。
生態系の変化と共に、虫の環境への順応性や薬剤への耐性が強くなっているということです。
進化しているのは人だけではありません。(人は退化している?)

相嶋造園

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基礎知識
 
一般に、虫たちは卵の状態で、木の幹や葉の裏、土の中にいます。
それが一定の時期になると孵化し、木に登って樹液を吸ったり、葉を食害します。
虫たちは保護色であったり、見えずらいところについているので、慣れていないと見落とすことがほとんど。
気がつくと酷い有様に木が変わっていた経験を持つ方も多いと思います。
 さらに、虫たちは一斉に発生するわけではありません。
一定の時期ごとに、それぞれの種類が発生し、一度は消え、また再度発生します。
多いときには年に4,5度も発生し、発生を繰り返すごとに被害も酷くなります。
すなわち、一度薬剤を撒いたから安心、なんてことはありません。毎回目を光らせ、発生を確認したら駆除することが大切です。  特に、5月〜9月にかけては矢継ぎ早に発生があります。
毎週のように虫が現れることもありますから、一番注意が必要な時期になります。
この季節は、日本では梅雨であったり、台風の季節であったりします。
虫は、何もそこにいるだけではありません。風に乗ってやってきたり、雨と共に流れ込んだり、知らぬうちに増えていることもあります。
 また、木の種類によって寄生する虫も変わってきます。種類が多いということは、それだけ虫の種類も多いということ。そのせいで、普段その木にはつかない虫でも、別の木からつくこともあります。
こちらもそれなりの知識がないと対処しきれないこともあります。
 虫の発生とは、同時に病気の発生原因にも直結します。放っておくとカビやウィルスに犯されることにもなるのです。できるだけしっかりし処置をなさる方が賢明です。また、日頃から虫のつきづらい庭作りが求められます。

 葉が網目状になっていた、部分的に茶色く変色している、そんなときは大概葉の裏側に虫がいます。

早期発見のポイント

葉の上に黒い粒が落ちている場合、ほとんどが虫の糞です。その上に虫がいることを知らせています。

*人によっては気分を害する方もいるかもしれません。ページの閲覧にはご注意ください。

 このように注意して見てみると虫がいます。発見が早ければ早いほど作業は楽ですし、被害も少なくてすみます。

 一見くもの巣にも見えますが、実は巣作り中の虫。
見つけたら捕殺することも有効な手段です。

 地面に木屑が落ちている場合、やっかいな虫に侵入されていることを物語っています。
説明は下記の個別のコーナーにて。

注意したい代表的な虫たち
 ここでは、よく庭で目にする代表的な虫についてと、気をつけたい虫をピックアップして書き記したいと思います。
これらの虫たちは、必ずと言っていいほどどこのご家庭でも目にします。できるだけ駆除するようにしたい虫たちです。

アブラムシ
 樹木に関わらず、新芽の伸びた部分に多く発生します。枝や葉の裏側について樹液を吸います。
そのせいで、新芽がしぼんでいる木を良く見かけます。また、ウィルスを媒介することもあります。
アブラムシの付いた木の下に車を停めると、霧吹きで吹いたように油がつきます。車を傷めるだけではなく、フロントガラスにつくと油膜と同じで光が反射して前が見えなくなる危険も。

 

木が白く粉を吹いたような状態になっていたら、アブラムシの大量発生の印。

 アブラムシのいる周りには、共生関係にある蟻や、てんとう虫(成虫、幼虫)がいます。
庭の木にそれらの虫がいる場合は、アブラムシがついていると疑ってみてください。
 早期に発生するアブラムシには、葉水も有効です。

カイガラムシ・ロウムシ
 幹や枝に付いて樹液を吸います。
ほとんどが集団で寄生し、硬い殻に覆われている種類もいます。
同時にカビやウィルスの発生原因にもなり、1年中樹木をいじめる大敵です。

 硬い殻に覆われている間は、散布する薬剤では防除できません。
大変ですが、ブラシなどでこすり落とすのが有効な手段です。(白い粉が散ったり、赤い体液が出てきたり、あまり気持ちのよいものではありませんけど。)
7月の孵化期に薬剤を散布するか、冬場の石灰硫黄合剤、マシン油乳剤の散布で予防するとよいでしょう。

アメリカシロヒトリ
 蛾の種類。6〜9月の間に、2回程度に分かれて発生します。必ず集団で発生し、樹木の一部分を覆うように糸で巣を築きます。さなぎの状態で越冬して、春羽化し卵を産み付けます。

 酷いときは、このように樹木全体が白く枯れたようになってしまいます。葉同士を糸でつけて数百〜数千単位で生活しています。葉を食害するため、穴が開いていたり、かじられている葉がよく見られます。
 集団でいるところを巣ごと取り除いて焼却したり、殺虫剤を散布することで防除できます。

ハマキムシ
 ハマキガの幼虫。糸を出して葉を丸めたり、数枚の葉をつけて巣を作ります。
特に新芽に巣くうことが多く、葉先だけ全て茶色くさせられる樹木もあるほどです。

 年に数回発生するので、初期段階で薬剤散布で駆除することが肝心です。なぜなら葉の中にこもられると、なかなか薬剤が届かなくなるからです。浸透性の薬剤をたっぷり散布することが必要です。
 枯葉がついたままでは別の弊害が出てきます。振り落としてしまいましょう。

チャドクガ
 近年多く発生するようになりました。群生して葉を食害します。
この毛虫が厄介なのは、その毛に触れるとアレルギー反応が出て、ひどい痒みとかぶれること。
全身に広がるケースもあります。しかも毛虫の生死に関係なく、例え抜け殻でも触れると同じ症状を発症します。
5月の早い時期から発生し、夏に再発生、最近では秋にもさらに発生しますので、特に小さなお子さんがいるご家庭は注意しましょう。

葉の裏側、根元に産卵するようで、幹を伝い葉を食べるために移動する光景も見られます。

 6月、新芽が吹き出し、樹木がこんもり青々している時期にも関わらず、完全に葉が食害されています。力のない木はこのまま枯れこみます。
 発生からこうなるまで、数次第では数日です。早期発見、駆除が求められます。先に書いたとおり、炎症を起こさせるのは死んでいても同じ。出来るだけ群生している枝ごと取って駆除したいものです。

イラガ
 幼虫が群れを成して葉の裏につきます。コンペイトウムシ、デンキムシ、チックリムシなど地域によって様々な呼び方があります。この毛虫に触れると、針で刺されたような鋭い痛みが走り、患部が赤く腫れます。
葉の裏手につき、しかも保護色などで気づかずに触れることが多いので、気をつけましょう。

 小さいうちは集団で、成長すると単独で、しかも丸々した姿をしています。まるで別の生き物みたいですね。

 根元や枝の下側に、このような繭を見かけることがあります。
これもイラガや他の毛虫の羽化するもの。そぎ落としてしまうのがいいでしょう。

 イラガは、上記の虫たちに比べ、駆除は難しくありません。
薬剤の散布で退治できますから、さされる前に駆除しましょう。

 毛虫意外にも、食害をする虫は多くいます。甲虫類などでも同じようにひどい被害が起こります。
ただし、虫にも樹木によって好き嫌いがあるようで、つきやすい木、にくい木、その木にだけつく虫など様々。
ご自分のお庭にいる虫の種類、対処法、知っておくことが大切です。

テッポウムシ
 今までは木の周りにつく虫たちでしたが、こちらは木の中に入り込む一番樹木にとってはやっかいな虫です。
主に、カミキリムシの成虫が幹に穴を開けて産卵し、孵化した幼虫が幹内を食い歩く、または成虫に寄生していたシンクイムシが食い荒らすことで、侵入した幹、枝を弱らせ、枯らす原因になります。
特に若木はすぐ枯れにつながるので注意が必要です。

地面にこのような木屑が落ちていたら要注意!必ず侵入後があるはず。

 やはりありました!木によってはいくつもの穴があります。
一度中に入られてしまうと、駆除には一刻も早い駆除が大切です。
穴に針金を突き入れていき刺し殺す、スポイトや極細ノズルのついた薬剤を注入し、泥や枝、蝋などで穴にふたをしてしまう、枝ならその枝ごと切り落とし処理するなど、荒療法が必要になります。幹元に予防剤を撒く方法もあるようです。

 ゴマダラキミキリムシ。この虫が全てのはじまり。
庭で見つけたら、かわいそうですが捕殺!もう幹を侵食した後の可能性もあります。その後の樹木に注意を払いましょう。
成虫の発生は、5月〜9月にかけてです。

 他にも、ダニ・シラミ類、蜂の巣など、放っておけない虫たちも多数存在します。
乱暴な言い方をすると、「樹木がある以上虫は必ずいる」のですから、どこまでを許容範囲と置くかは、家の方の判断しかありません。

 成長するたびに、このような抜け殻が葉に残ります。
もちろんこれもかぶれます!
不用意に触らないようにしましょう。