球根の深さに掘って、ちょっと頭が出るくらいに植えます。8月までに植えるのが適時らしいので、9月に植え出した我々は出遅れです。なのであまり深く植えないことにしました。後日、お客様に上から培養土を薄くまいてもらう予定にしています。球根ごとの間隔は実験もかねて不規則に。

植栽・施工

 場所によって、土質は正直よくありません。表土の下はかなりの粘土層。「雨が降ると池になる」というお客様の言葉通りの感じです。場所によっては、掘るとヘドロのような腐った臭いがしてきます。それだけ間に水が溜まっていて、植物を腐敗させているのでしょう。そういう場所でも生きられる植物だけが残り、だから頑固な草ばかり生えていると思います。本来なら丸ごと土を入れ替えたいくらいのレベルですが、この状態でどこまで雑草に負けず、土に負けずに彼岸花が顔を出してくれるか、半分祈る気持ちで土を耕します。一般的な赤花が一番強いでしょうから、他の土を混ぜて少はましにした場所には、そういう品種を植えます。また、表面に敷いてあった細かい砂利も改良剤代わりに入れ込み、水はけが良くなることを期待します。

 色ごとに植え位置を決めていきます。5か所くらいに場所を分けて植えるので、どこに植えたかわかるようにラベルを残しておきます。家にあった石などを配置しておしゃれな花壇を目指します。

 今回使用する球根。商社からの卸し買いなので、安いのですが最低ロットがあります。単一色(赤)100球、ミックスセット90球入りの合計190球です。まず、色ごとに分け、数を確認。種類は6種類。植え場所を考えます。

 とりあえず半日の仕事でこれだけ面積を作り出せました。あれだけ掘り上げたのに、地面にはまだまだ根っこが散乱しています。この地は土が粘土層のため水はけが悪く、天地返しするのも難しいので少しでも熊手等で取ることにします。

 笹や茅、ドクダミなど、根絶の難しい草花が陣取っている地です。これらは根がはびこることで勢力を広げるので、できるだけ地面の深くから掘り上げるため、ミニショベルを用いて、はさみでくわえてむしり取ります。コンパネであおりを高くしても、軽トラ一台分のゴミが出ました。

〜やってみなきゃわからない!〜
彼岸花の花壇作り

 今回使用した品種です。ものによってはこの地では無理なものもあるかもしれません。ラベルを掲載します。

 球根を植えるところは、さらに掘り返してできるだけ取り除きます。それでも不安なほど根っこが出てきます。この草負けが一番の心配事ですが、後はお客様の努力を期待いたしましょう。

 「秋に挑戦したいものの一つに、彼岸花で花壇作ってみたいんだよね。だって、みんな家に植えたがらない花じゃん?だったら俺がやってみるよってね。」お客様得意の興味を引く発言が飛び出します。
 彼岸花は、ヒガンバナ科の多年植物です。秋の彼岸の時期に咲くことや、有毒性の根を食べてたら彼岸(あの世)に行くしかない、ところからついた名前で、他にも地獄花、幽霊花、剃刀花、捨子花などイメージの悪い異名が多く、日本では忌み花として植えないケースもあります。
 しかし、外国では園芸品種も多く、仏教でも曼珠沙華の名前で、時として天上の花を意味する名で呼ばれる花です。花と葉が同時に出ないところも、鑑賞には向いていると思います。
 相変わらず、こちらのお客様のアイデアは面白い!のですが、じゃあ、どこに彼岸花の花壇(畑)を作るのか、敷地は空いていますが、実は大変な場所なんです!

→リコリス・アルビフローラ;白花です。単品価格は赤花の4倍!しています。意外と路地でも咲いているし、うちにもいます。白と言いながら、クリームっぽい色の花もありますね。

 「いやー様になったね!」と喜びの声をいただきました。お客様宅にあった石や瓦を並べました。ミニショベルでどかした大きい石も、お客様と二人で転がしました。園路も確保できましたし、ちょっと常緑樹植えたり、テーブル置いたりするとさらに引き立ちますね。それはこれからのお仕事。先ずは発芽することが先決です。

 まとめて買っていても、品種によって価値は違います。いい品種は出づらそうな感もあるので、条件がよさそうな場所、土目の良いところで、できるだけ目立つ位置を探します。色が重ならないことも大切。

最近、観光地として草花を群生させる○○園が流行っております。
芝桜園やバラ園などの広場のような広い場所に作るものや、カタクリ園や山つつじ園など丘陵地帯に作られ、ハイキングや散策をしながら自然を楽しむこともあります。
秋の花として使われることが多くなったのが、今回使用する’彼岸花’です。
お寺の境内をはじめ、山あいや並木道沿いなど、場所を選ばず使用されている万能タイプの草花です。
それを個人宅で施工します。
実は、これが条件の良くない場所なのです。でも、やってみなきゃわからない!

相嶋造園

 最初の話は、6月に別の仕事でお邪魔したときのものです。この時は、次回のやりたいことの一つにあげていた程度。
「もし、安く球根が手に入るならやってもいいかな。ネットでは1個100円からなんだけど…。」
お客様判断としても、これが急務ではないわけで、予算の問題は大切なクリア課題です。
この庭をきれいにするためには、ミニショベルで掘り返す必要もあります。
そのうえで、本格的にではなく、サクッと作ってほしいという希望です。
確かに萩がきれいなので、それに合わせるもいいのですが、何分頑固な雑草が山のように生えています。これに負けずに作れるかが一番の問題です。
 球根に関しては、最近資材全般をお任せしている奥村商事さんに相談してみると、「球根ありますよ。これからが植え時期なので、在庫は減りつつあるようです。今彼岸花園もあちこちで作られていますからね。」
 最終的に、お客様が探されたネット価格より安く提示することができました。
「よし、じゃあやってみよう!」ゴーサインが出ます。ちょっと遅くなりましたが、9月に施工することに決定です!
お客様と二人で頑張って、一日で仕上げることになりました。

→リコリス・スプレンゲリー

←リコリス・さつま美人

→リコリス・ジャクソニアナ;ここから3点は、園芸品種です。自分も使うのは初めてです。特徴は球根が小さいこと。悪いわけではありませんが、消えてしまう危険性があるので、土質の良いめのできるだけ目立つ手前に植えています。

彼岸花の栽培自体は入門用と言っていい手軽さがあります。
しかし、今回のように植える場所の条件次第では、チャレンジと言っていい栽培にもなります。
我々の本来の仕事は、そのチャレンジというリスクをいかに下げることができるかだと思います。
そこには、時間、予算などの制限があるのも事実。
だからと言って、あきらめの悪いお客様と自分なので、やってみなきゃわからない!彼岸花の庭園がここにできることを夢見ております。
先ずは年内中の発芽、少なくとも来年には葉が出てほしいです。
そうすれば、早速次回開花するでしょう。
100歩譲って、一年音沙汰なく、それから出てくることもあるかもしれません。
その間に、頑固に生えてくる茅や笹、ドクダミなどをどれだけ処理できるかが勝負。
気は抜けませんが、やりがいがあるとも言えます。
普通じゃできないと思われることを成し遂げる快感は、憧れるものもありますよね。

←リコリス・オーレア;黄色花。オレンジの花って実はこれでしょうか?赤花の倍の価格で白花よりお得です。球根が一番大きいのが特徴的でした。

←リコリス・ラジアータ;一般的な赤花品種。球根は比較的大きめ。先ずはこれが成功することが肝心です。リコリスは、彼岸花の園芸名です。

 大変自然豊かなお庭です。安倍晴明の屋敷もこんな感じだったのではないでしょうか?この一部を切り拓いて花壇を作る予定です。