我が家は、植木の生産からこの仕事に移行してきました。
その関係上、未だに’植木屋さん’として知られ、両親も植木屋として仕事をしております。
ですからエクステリアを専門に行なってはおりませんでした。
自分も庭木を植えることをメインとし、その流れの中で石を扱いますが、今回は石ものしか使わない仕事をするため、真面目に石を貼っていくやり方を、自己流ですが、掲載していきます。

本格的な石貼り作業
植栽・施工

 「庭の草取りが大変で、少しでも芝の面積と、草が生えるのを減らしたいんですが?」
こちらのお客様は、いつもお世話になっている方のご実家です。
以前より、庭に面白みがないので、何か変化をつけたいと相談されておりましたが、今回そのコンセプトを草取り作業の軽減に向けた上で、テーブルを置いてお茶の飲める、おしゃれな石貼りのテラスを作ることになりました。

今回の施工が、少しでもお客様の理想に近づけたとしたらうれしい限りです。
予算ができたらもう少し拡張することも決定しました。
これで草が生えづらくなって、庭を楽しむことが増えてくれるといいのですが。
こういう仕事は、かなり材料費によって値段が変わってしまいます。
さらには、施工をどれだけ簡略化するかでも違います。
ここまでしっかり作ると、やはり10万円はかかってしまいます。
だたし、そのおかげで長持ちすると思えば、将来的にはいいんじゃないでしょうか。
こちらも材料や、施工方法など日々勉強しなくては、お客様においていかれてしまう世の中になりました。

相嶋造園

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 「母がさ、川間駅近くにあるおやれな喫茶店の、表にある円形のテラスが気に入ってさ、うちにもああいうもの作れないか?いうんだけど、その方向でお願いできる?」
 具体的なイメージがあることはいいことです。その喫茶店は田舎にあるものとは思えないおしゃれなお店です。すいません、お店から写真の使用許可を取っていないので、ここへの掲載はあきらめますが、そこの円形のテラスというだけで、行ったことのある方なら、あれだなってわかる素敵な造作物です。
 ただし、いいものを使うとそれだけ材料代もかさみます。しかも防草を考えるなら基礎をしっかり作らなければなりません。作る量が今回のように2m四方だとしても、10万円は越えてきます。
 それを理解してもらったうえで、できるだけお手軽施工にしつつ、さらにお客様方にも手伝ってもらえるやり方で、石貼りをしてまいります。

 今回施工予定のスペース。手前に見える植木鉢と、塀際の植木鉢の間を、家の横まで施工します。スペース的には、2m四方弱とそれほど大きくはありません。今回の変わりようを見て、施工範囲をさらに広げていく予定となりました。

 芝と、芝の中に生える頑固な雑草以外にも、ドクダミ、ササなど根で広がる野草がたくさん生え、草取りが大変という意味がよくわかります。
 最初は円形にする予定でしたが、このスペースに合わせた形に変更していきます。できるだけ既存の庭に溶け込むようなデザインにすることも、庭の一体感には大切なことです。一緒にホームセンターで材料を見ながら、使う素材を決め、そこからデザインも、見積もりも変化しました。

 今日の荷物を見る限り、とても植木屋さんの道具には見えません。締め固めるための振動プレートや土突き棒、砂利を運び込む一輪車、材料を載せる台車など、土建屋さんと変わらぬ装備です。
 明日は、セメントをこねるための船や、混ぜ込む道具、コテ、目地コテ数種類など左官屋さんの装備。
いろいろできるためには、それに見合った道具がなければできません。その道具を持っているのが商売人である、と言えるのはないでしょうか?それにしても、設備投資は安くないです…。両親が植木屋でいきたい意味もわかります。

 まず確認したいのが、仕上がりの高さ。
ここは家の角に行くほど下がっているので、高いところに合わせると高くなっていきます。それだけ段差ができてしまうわけですから、注意しなければならいので、施工の高さの妥協点をお客様と相談し、排水も考えて、水糸を張ってギリギリの高さを出してみます。
 
 今回の施工は、既存のトタン塀の前に低い石積みを作り、その手前に色を混ぜた洋風ストーンを乱張りにしていきます。仕上がり具合に応じて、石貼りの範囲を広げるか考えていくことになりました。

 まずは10cmを目安に掘り下げます。これは下地の厚さを考慮しての数字です。実際にはもう少し深く掘っています。後で埋め戻してもいいと思っておりますので。ただし、下地はしっかりした強度と緊密さが大切。よく締め固めて、乗っても沈まないような硬さになるようにしましょう。

 そこに、たっぷりの路盤材を敷きこみます。通常の道路づくりと同じものです。自分は建材屋さんで、トラック積みで格安で買いますが、最近はホームセンターなどでもみかけるようになりました。砂利よりも締め固まるので、下地にはこちらをお勧めいたします。
 たっぷり敷き入れたら、振動プレートを使い転圧します。
手伝ってくれたお客様も、路盤材を敷いた時に歩いた時は、沈み込んだのに、転圧したらしっかり硬くなってびっくりしておられました。そのくらい違うものにならないといけません。さらに端は土付き棒を使い、隙間なく突き固めます。
石を貼る面積より一回り以上大きく作っておくほうがいいですよ。

 こちら今回使う材料です。大型のホームセンターで、事前にお客様と選びに行き、改めて今日寸法を測りなおして、買い付けに行きました。支払いはお客様にしてもらうことで、自分は仕入れ代かからずに手間代でやらせていただきます。
 ここで使う洋物の材料になると、資材屋さん経由でもあるかわかりませんし、小ロットだと取れるかもわかりません。先にいい出物があるとき以外は、少々割高でも営業費をかけない分自分も損にはならないので、ホームセンターで間に合わせます。今のお店の品揃えはびっくりするものがありますね。

 石積みとして使用するのは、イタリア産タフステーンストーン。堆積岩なので、かなりもろい一面はありますが、それが返って独特の枯れた質感と、苔がからみやすく味わいの出やすい性格を伝えています。かなりおしゃれな材料です。1個400円というのも格安です。同じ大きさのものを作るなら、レンガより材料代は安いですよ。
 まずは仮置きです。家にあった石を3つ敷いたので、始まり位置がずれた分、予定より長めに施工することになりました。基礎も延長することにします。そのせいで石同士は隙間なく組み合わせて、横目地なしでいくことになりました。

 これだけ土質が強い石だと、セメントとの相性はよくありません。ですから横目地なしでも石をしっかり積んであげれば、ある程度の重さもあるので、数段なら問題ないと思います。
 自然石だけあって、1個1個の大きさは若干違います。積んでいく時の水平取りだけしっかりセメントで目地を取って合わせていきましょう。
 積み出しの1段目は、地面の仕上がり位置より低くして、石の底が出てこないように気をつけます。また、今回はこの奥にシュウカイドウを植えます。その分基礎を作っていません。それは少し不安ではありますが、奥の地面も高めに土を入れることにします。

 一段目を並べたところで、しっかりと水平を確認します。できれば垂木用の角材など、長い棒を使って全体の水平も確認してください。一段目だけはより慎重にしっかり固定することと、水平を取ることを行うと、崩れにくい積み方ができます。
自分は緩めにモルタルを作って(水分多め)使用していますが、材料を濡らしておくのも大切なことです。材料が乾いていると、モルタルの水分を材料が吸って、強度を落とす原因となるからです。
 ただし、この材料の場合は擦れるだけではがれてしまうので、何度も動かしたくなかったため、湿り気を持たせたくらいで使っています。すでに売り場にあるときから形が崩れているので、いいものを40個選び出しています。

 水っぽいくらいに柔らかくねって、石の崩れた隙間にもモルタルが入りやすくします。
 心がけることは、モルタルで石を固定することより、隙間を埋めて、水平に石を固定できる土台にすることです。均等に荷重がかかれば、全体の力で支えあうことができ、しっかりセメント付けできなくても簡単には崩れません。
もちろん積む段数が低いからとも言えます。

 これで完成です!本当は四角い壁にする予定でしたが、途中でお客様と設計変更。
積み方に変化をつけて、階段状にしました。実際こちらの方がおしゃれだと思います。
 普通の石積みと違い、この材質ですとはみ出したモルタルを水で拭き取ることができません。
石ごと削り取った部分もあります。目地自体、ブロック塀のようにきれいになでつけて仕上げるよりも、ワイルドさをのこした自然な仕上がりになるように、あえてきれいにしていない部分もあります。
 お客様的にも、「この石にしてよかった〜。」と感激の言葉が漏れています。
こちらのご主人は、地元建設会社の役員ですから、怒られるような仕事はできません。
と言いながら、腕に自信のない自分は、はらはらで作っております。毎回お客様に鍛えられているのであります。

 続いて、石貼りに移ります。材料をどれだけ使うかを見るためにも、荷物をほどいて一度仮置きしてみます。
使用するのは、アルビノという名前で置かれている石です。なるべく一枚の破片の中に、色や形の変化のある石を選び、さらに二種類の色の石を混ぜて使用しています。
 言い方が悪いですが、ホームセンターものは、素人向けにかなりいい加減な形に砕かれた石を集めてあります。ここでは買ったまま並べましたが、本貼りのときは悪い形を割ったり削ったりして使います。

 セメントと砂を、水を混ぜない、から練りにします。
から練りは、強度的にはモルタルに劣りますが、水を加えていないのでサラサラな分、やり直したり、埋まってしまっても石を汚すことがほとんどありません。砂利の細かい隙間にも入り込むので、路盤材とのなじみもいいです。
 一度石を外して、そこにから練りをなるべく多く盛り付け、石を置き戻します。石は厚みもまちまちなので、ここでゴムハンマーでよく叩いて石を水平に保つように、から練りもよく締まるように強めに叩き入れたり、指で下側の隙間にから練りを押し込みます。自分は、最後にモルタルで目地埋めをして補強をするので、から練りをいっぱいまで埋めません。

 うまくいかなければ、一度はがしてやり直せるのもから練りのいいところ。お客様と二人で悩みながら貼り進めます。ここは車が乗らない場所だけらできる方法でもあります。

 バールで押し込んだり、ゴムハンマーで叩いたり、指で突きこんだりしていると、たっぷり盛ったから練りが散らかります。それを刷毛で掃除してもらいます。いくらから練りとはいえ、空気中の水分で固まりますし、ふとしたところで水がかかって石を汚してしまったりします。できるだけ速やかに作業を終える必要はあります。
「発掘作業みたい。」お客様が笑っておられました。自分も昔、遺跡発掘の仕事に憧れました(今もか)。

 シャワーホースで水をかけます。
一晩シートをかけてゆっくり湿らせると、翌日にはカチコチになっていました。
 ただし、この時点では目地を埋めきっていないため、石は完全には固定されていません。やはり最後はちゃんとしたモルタルで仕上げたいと思います。
こういうやり方は人によって違います。どのやり方がいいかは、施工する方の判断でお願いしますね。

 目地を埋めきりました。目地は石よりも低めに、そして排水を考えて奥を少し高めに仕上げました。
これでも、小さい破片は取れてしまうこともあります。
そうなったら、石用のボンドを使って貼ればいいので、落ち込むことはありません。
 こういう仕事をするときは、これ用の道具が色々欲しくなります。目地ゴテだって、1,2本のサイズでは仕事がしづらいので、ついつい違うサイズを買い足してしまいます。
結局仕事する度に道具を買って、何だか道具を買うために仕事をしているような…。

 後は、セメントが乾いたら外側を土で埋め戻せば完成です。
 「この上でテーブルを置いてくつろぐはずが、これを見ながらお茶するんでもよくなっちゃった。」と出来に満足なご様子です。
 最初は乗ることに不安はあるでしょうが、使ってこその庭ですから、好きなようにお使いくださいね。壊れたら直しますから。
 手前に植えてある柿の木をさらに多くして、きれいに仕立てて、木陰を作る計画もあります。