餅は餅屋に頼むべき。という格言があります。
仕事において、専門家に頼むということは、一番うまくゆく近道でもあります。
もちろん、任せきりにしてもうまくいくわけではありませんから、ある程度見る目は大切です。
今回は、庭木を抜いたり、移植したりしてからガレージを作ります。
自分としてはよくある作業ではありますが、専門家同士の作業の分担で、作業がうまく、しかも安くできることをちょっとアピールしたいと掲載いたします。

いいとこ取りのガレージ作製
植栽・施工

 「車を入れられる場所を作りたいんだけど、値段が折り合えば、すぐにでも頼みたいんだ。」
庭の手入れの相談にお伺いしたお客様のところで、ちらっと聞かされました。
仕様をよく相談し、こういうことを得意とするいつもの土建屋さん’松山建設’さんにご相談。
上がってきた見積もりをうちの名前に直し、こちらの作業を乗せたものをお客様に提出します。
 すると、一発オーケーが出ました。
「200万円くらいするかと思っていたけど、まさか100万切るなんてびっくりしたよ。やっぱり大手よりこういうことは直接作業してくれる人に頼むべきなんだね。」
 そうですね。もしうちが下請けとして土建屋さんをお願いしていたら、上乗せしてきっと150万円くらいの金額でしたでしょう。
しかし、自分は同じ仲間として仕事を分担している意識なので、餅は餅屋に作業してもらうだけです。
お互いの得意分野を生かした仕事を見ていただきたいと思います。

相嶋造園

親サイトも情報満載!

お客様は大変喜んでくださいました。
「こんなにやすくいいもの作ってくれるなんて思わなかったからさ、やっぱりこういう作業は個人の方の方がうまくやってくれるとつくづく思ったよ。この値段で作りましたって掲載すればみんなすぐにでも頼むよ!」
もちろん価格だけで仕事しているわけではないので、そこばかりアピールするつもりはありませんが、自分で営業して、自分で考え、自分で施工して、という間の入らない作業はマージンいりませんからね。
今回は、造園まで行うつもりはありませんでした、。正直別料金で行いたかったのですが。
それがここまで完成したのは、お客様の普段の気遣いが丁寧であったこと、気心の知れた親方がついで作業で機械で植木を掘ったり、運んでくれたからです。
それぞれの専門家が、それぞれの役目を果たすと、相乗効果で良いものが作れる、すばらしいことだと感じます。

 もう50年、越してきて経つそうです。庭木もその間に増えました。4m級の樹木もあります。しかし、最近はシルバーさんの手入れでしたから、ほとんどが刈り込みで表面だけの仕上げのため、中は混みこみ外は膨らみ本来の樹木の良さはありません。お客様も気にしておりましたが、ここで一気に模様替えをします。

 奥に見える、もこもこ頭の連続は全て抜いてしまいます。表のブロック塀を切り、入り口を作り、縦に2台分の駐車スペースを確保します。
 写真ではわかりませんが、手前の五葉松の前には池があります。最初、こちらには凝った庭が作られていたようです。
今では池に水を入れているわけではなく、鯉用で深いので危ないこともあり、今回掘る土で池を埋めて、後々お客様が枯山水を自作する場所とします。
 しかし、五葉松を刈り込みで手入れしていくという話にはびっくり。畑ならわかりますが、お金もらって刈り込みはひどい!かと言って全体を安く作業しているわけではないのが納得できません。時期を見計らって、形を作り直したいと思います。

 なぜかいびつな三角形になってしまった高野マキと、ガレージ作製で引っかかるマキの木は移植して使うこととします。かなり透かさないと根を掘る分、木が疲れます。
 樹木については、かなり作り直しが多いですが、元がいい木だった分、良くしていく楽しみがありますね。

今回の作業です。
 道路に面する、家の一番奥側の塀を切り、駐車場にする。
縦に2台止められるようにするため、幅3メートル、奥行き10メートルを基準に作製する。
 その際、邪魔になる樹木は数本を移植、残りは伐採する。その他引っかかるものはその都度相談で。

 つまり作業はそれだけです。一見土建屋さんの仕事だけで済むようにも思えますが、まあ、見ていてください。

では作業開始です!

 寸法を決めて、ブロック塀をカットします。間口3,5mあたりで、ブロックの目地の部分を切ります。使用するのはパートナーという手持ちのエンジンカッター。よく切れますね。

 今回初登場の‘アンちゃん’さん。
土建屋の親方も、女将さんもそう呼ぶので、とりあえず呼称はアンちゃんで統一します。実は自分より一つ年上。無口ですがもくもくとまじめに仕事をします。一生懸命さについ応援したくなり、今後の活躍にも期待したいと思います。
よく食べ、よく飲みます(お酒も)。はしを左で使うところから、彼も左利きとわかりました。

 おっと、こちらも自分の仕事をしないといけません。大変かわいそうではありますが、ガレージに引っかかる樹木を伐採します。かなりの大きさがあるので、切応えはありますが、親方たちもこれが終わらないと作業に入れないということで、手伝ってくれました。もちろんお客様もお手伝いくださいます。
 実際には幅3m以上の空間を確保しないと作製できないので、引っかかるものは全て切るか、どかします。

 壁を切り、油圧ショベルが入れるようになったので、一気に機械で伐採に。そのまま抜根も行います。こちらは処理場に運ぶために車に乗せ合わせをしなければならないのですが、機械のスピードについていけず追い立てられます。おかげで2日に分けていた作業を1日で終わらせてしまいました。

 間口を広めにとると、やはりどうしてもマキの木にかかってしまいます。これを右方向に移動させ、安全な位置に植えなおします。この地に植えられ30年、下手に動かすと間違いなく枯れます。ここは本職の腕の見せ所!の移植作業になります。

 植えてからの年数が経ち、根が崩れやすく、そのまま植えたのでは枯れてしまう樹木の移植に用いる、樽巻きという技術です。一番下の根は切らず、崩さないように周りを布で多い、縄で締め上げていきます。

 最初に横に縄をぐるぐる巻いて抑え、今度は上下に縄をかけます。このとき四角形を描くように縄を締め上げ、それを2〜4回繰り返して締め上げます。最後に樹木を寝かせて、下側の根を切り、縄で閉じれば完成です。

 蒸散作用による乾燥を防ぐため、幹もとを布テープで巻きます。今まで刈り込みしかしていなかった枝葉を透かして半分ほどの量まで減らします。引っ張れる枝は縄で引下きげ、形がよくなるように矯正します。木の向きも家の中から見るように、180度まわします。

 続いて邪魔になったのが、こちらの石。
 つるがひどく絡み付いてしまっていますが、元は池を演出するために置かれたクロボク石の塊です。塊といっても細かいボク石を付け合せているだけで、中身はブロックだったり空洞だったり…。ま、あまり深く考えずいきましょう。
 実際の完成寸法では邪魔にならなくても、作業は二回り大きくできると楽なので、どかすことにします。この場所では、池を埋めてしまうと面白味もありませんから、もう少し左方向にずらします。
 元が寄せ集め(言い方悪くてすいません)なので、ワイヤーをかけて持ち上げることもできず、油圧ショベルのバケットで、そっと押してもらうことにしました。

 作業中いくつか分解してしまったので、大きな塊で取れた一つは、対をなすように道の反対側に配置します。これで、池から来る道の奥に新たな演出ができました。
 「マキといい、石といい、さすが庭師さんはうまいね。」お客様と親方の両方からお褒めをいただきました。

これで一端、庭師の仕事は終わりです。ここからは再び親方を手伝い、土建屋さんの分野になります。

 ガレージ仕上がり寸法の二回り外に板を打ち付け、仕上げラインの水糸を張ります。
これで今回のガレージの完成図を作ります。これを建て方と呼び、家を建てるときでも用いる手法です。
 ここでいっかりしたラインをとることが、完成の出来、不出来につながります。しっかりとしたイメージをここで固めることが大切になります。
 ガレージ幅3mというのは、土建屋さんの出した数字です。掘り下げて作るガレージなので、両脇が切り立った仕上がりになるため、狭すぎると車のドアを開けたとき、ブッロクにぶつかってしまうのです。この辺は、さすが親方の経験だと思いました。

 水糸に沿って、ブロックを並べます。これがガレージの外枠となります。
 土地が道路より高いので、傾斜をつけながらも、かなり削りました。

 既存のブロック塀の目地に合わせてブロックを並べたり、ガレージに降りる階段をカッコよく作ったり、さすがここは専門家です。
 ちゃんとガレージ入り口につけるカーテンゲートの折りたたんだときの処理も考えた仕上げになっています。でもこれならマキをもう少し高く植えてもよかったかな。親方的には、コンクリート物は何よりも高くしたいようでしたが。

 コの字型に並べ、土で周りを埋め戻すと、さらに形がはっきりしてきます。応援に寄った我が家の坊ちゃんもご満悦。

 親方は忙しいです。我々がお客様と話している間に、ブロックを積み、天端を仕上げ、既存の塀に新たな控えを取って補強です。ちゃんと鉄筋も入れてくれております。正直代わりにできる仕事じゃないんで仕方ありません。

 お隣との境界側だけフェンスを取り付けます。
 フェンスの支柱が固定できたら付けるのかと思いきや、モルタル塗りをしている最中に固定に入ります。最初に支柱をある程度決めた高さに固定します。今回は2m規格のフェンスなので、これを5枚つないで、垂木を用いて一定高さにそろえて固めます。勉強になりました。

これで、後は土間打ちをすれば完成ですが、その前に造園工事を済ましてしまいましょう。

 ガレージの骨格ができたところで、泥仕事を先に済ませてしまいます。
 奥に仮植して、透かして形を作り直しておいた高野マキを、場所を決め定植させます。ガレージ正面の道路から見ても、庭を通って入ってきてもいい位置に見えるように植え込み、同時に大きくなっていたサツキを掘り上げ、ガリガリに刈り込んで高野マキに合わせます。…まだちょっと物足りないですね。

 ここは宝の山です。大きさは小さいですが残っていた石をポイントに置き、家に生えていたシラン、オモト、玉リュウを使い、演出です。少し高い丘風にするために、今後お客様自身でもう少し玉リュウを植えてもらうことになっております。

 今までごちゃごちゃしていたスペースも、池を残土で埋め、サツキの大株を抜き、もう一つのサツキの大株も小さくしたおかげで、急にスペースができました。
 本来予定に入っていませんでしたが、折角きれいになったスペースですので、思いつくまま演出させてもらいましょう。

火袋は割れてしまいましたが、地震で倒れた灯篭を立て直し、その周囲に石を再配置。伸びすぎた樹木もカットして手前にツワブキを植えると、こちらもどこから見ても見ることのできるお庭に変身。

 ここはもともと池だった場所。ずっと水が抜かれていましたし、危ないので埋めてほしいという要望により、作業で出た残土で埋めました。
お客様としては、今後ここを枯山水にしたいとのことで、防草シートを敷き、砂利を敷き詰める計画とのこと。なら、掃出し窓から見えるところに、埋まっていたボク石3個を利用して小粋な石組みを作りました。これに砂利を敷き詰めると、単に砂利だけよりよく見えるでしょう。
 ガレージができることで庭が分断されるわけではありません。トータル的な完成形を見据えて、よりまとまった庭に見せるのが我々の仕事です。どこから見てもそれなりにカッコがついているというのは、やらせてもらうしか説明できない技であります。
 

これで自分の作業は全て完了しました。ガレージ作製も大詰め、いよいよ土間打ちに入ります。

 先ずはカーテンゲート取り付けのための支柱立てから。既存のブロック塀に沿わせて取り付けますが、ブッロク塀が傾いていたり、うまく取り付けるには多少の誤魔化しも必要だと勉強しました。

 砕石砂利を敷き、振動ローラーでさらに転圧。数日油圧ショベルで歩いていたので、元の地面は締まっていました。これでさらに強力に。ローラーかけずに土間打ちする職人も多いそうですが、さすが親方です。

 ワイヤーメッシュを敷き、いよいよコンクリ流しです。親方の奥様も応援に来てくださいました。かなりの腕利きです!今日はお目付け役といったところでしょうか。

 最後は芸術的な職人技で表面を滑らかにしていきます。明らかに、コテをなでる前と後とでは仕上がりが違います。こればかりは手伝えません。

 ガレージの右半分と、今から仕上げている左半分とでは凸凹さが違うのがわかりますね?
 ここはさすがだと思ったのは、道路の側溝に渡したグレーチングの高さに、ガレージを仕上げていることです。普通は最後にグレーチングをはめ込むので、厚み分そこだけ高くなるのが一般的ですが、先にグレーチングを入れることで、車に段差を乗り越えさせることなく奥まで入れることができます。

 サイズ的にはいい収まりでした。庭全体をうまくまとめられたと思っております。

 傾斜のつけ方も絶妙です。ずっと斜めにするのではなく、最初勾配がありますが、奥半分は水平になっています。使う方としてはこの方が間違いなく使いやすいです。
 庭木も、動かしていない木はほとんど手直しをしていません。これから剪定をきちんと行うと、さらに引き立てることができると、今後が楽しみです。