12,3年前になりますでしょうか、自分が駆け出しのころ、生け垣を作らせていただいたお客様のお宅です。毎年の手入れをお世話になっております。
そのとき作ったレッドロビンの生け垣が、ここのところの病気のせいでやられてしまい、思い切って作り直すことになりました。
ついでに、今まで生け垣にしていた一部分を生け垣にはせず、オープンガーデンにしたいというご希望をいただきましたので、アレンジいたしました。

生け垣の植え替えとオープンガーデン
植栽・施工

 数年前からレッドロビンに病気が流行り出しました。西洋種は、年月とともに病気も一緒に海外からやってくることがあります。また、風土の違う日本において、本国にはない病気に侵されてしまうこともあります。
 今回のお客様も、新芽が出ても枯れてしまう病気にかかり、頑張っても回復しない状態でした。
思い切って、庭全体をアレンジしてほしいとのご依頼です。
 こちらのお宅は、毎年手入れをさせていただいておりますが、正直せっかく広さがあるのに、庭の使い方がもったいないと思っておりました。
こちらの考えをぶつけた結果、今回のようなやり方に落ち着きました。

同じ材料でも、扱い方ひとつでいく様にも仕上がりは変わります。
「なぜ私たちにはそうやって作れないのかしら?」やりながらお客様に質問されます。
それは簡単なこと、場数が違うだけです。
奇をてらったことを考えるのではなく、その材料でいかに効果的かつ機能的な庭が作れるか、実際に素材を操って学ぶしかありません。
自分の庭が、プロの目からは大したものに感じないのはわかっております。
それでもお客様が喜んでいただているという事実があれば、これからも自分流の庭作りを提案していきたいと思っております。

相嶋造園

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 コノデヒバとレッドロビンの2段垣です。
 南向き、目の前が公園の角地で、大変条件のよい立地です。
 そのせいか、生け垣はある程度の高さが欲しいそうで、ヒバが大きくなりました。

 お花好きの奥様が、花壇を作ったり、プランターを置いたり、密集しております。そのせいで庭は入りこむのがちょっと苦労します。

 写真を撮るのも、外から覗き込むようにしか写せません。

 なるべく小さくしていても、ヒバのボリュームには限界あり。折角のスペースを圧迫しておりました。

 写真で見る通り、レッドロビンの葉が落ちてしまい、新芽もしっかりでてきません。出て来ても、一様に黒い斑点が生じ、大きくなる前に落ちてしまいます。
 これは、最近レッドロビンに出始めた病気で、あちこちで被害急増中。特効薬はありません。実はすぐお隣のお宅も昨年同様の病気で全て引き抜きました。この病気で枯れた木を残しておくと、さらに蔓延しますので、早めに根ごと処理しましょう。
 まだ作って10数年という短さでしたが、これではどうしようもありません。生け垣を作り直すなら、思い切って使いやすく、皆さんの集まれる庭に、全体のリフォームをすることでご相談いただきました。

 先ずは根の少し上の部分で切っていきます。生け垣を抜くだけで大変庭が広く感じるようになりました。
 同時に歩く場のない内側もわかってきました。

 ミニショベル登場。バケットに代わり、掴んで持ち上げることのできるハサミタイプに換装。我が家の秘密兵器です。
 これにより根を挟んで引き抜くことができ、作業時間を一気に短縮です。
 周囲と、配管に気をつけながら、もの数十分で全て引く抜き完了。手で掘ったら1日で終わったか?という量です。

 内側に出来ていた花壇も一度壊し、なるべく平らに整地。
 家の西側の細長いエリアは生け垣にせず、オープンガーデンにします。

先に目隠しを作るため、生け垣を完成させましょう。

 居間から目の前の道路を走る車のライトがまぶしいとのことで、やはり高い垣根を希望されております。
 道路から180cm高の支柱を打ち、その高さで植える樹木も揃えます。
 残すキンモクセイやドウダンツツジも、邪魔にならない大きさにカット。

 横に竹を釘で留めていきます。この竹は、植える樹木が倒れないためだけではなく、真っすぐに成長させたり、横に枝を伸ばすために縛ったりと、役割があります。

 使用する樹木はトキワマンサク。今人気の商品です。いくつか種類がありますが、ここでは緑葉で赤花の品種を使用。 高さ2m以上のトキワマンサクを、1000円代で使えることにお客様は感激していました。
 今回は背の高い生け垣を目指しますので、多少中がのぞけても、なるべく薄く作ることが大切です。
 

 植え幅は50〜55cm、樹木ごとの枝の張り具合で調整です。お客様のお住まいの市では、家の周囲を生け垣にすると補助金が出ます。ぜひ申請したかったのですが、1m内に3本の樹木を植えなければならないという、意味不明な条件のため申請できず。そんなに植えたら大きくなったときどうしろと?

 マンサクを、しかり横に張っていくように誘引します。
 庭にある抜きやすいものはなるべく抜いて整地。お父さんが沖縄からお土産で買ってきたソテツは、鉢上げして一時避難。当分そのまま鉢で育てていきます。葉が広がりすぎるのでどうしてもスペースが必要になりますから。
 今まで庭で使っていた部材で、イメージを作り替えます。

 今までは区切って使われていた庭を、一つの固まりとして流れを出してみました。これでデッドスペースであった庭の奥にも入っていけます。
 花壇にあったクリスマスローズやボタン、球根類も移植しました。

続いてオープンガーデンの作製に入ります。

 オープンガーデンとは、目隠しを多用せず、道行く人たちにも楽しんでもらえる庭、ではないかと思います。  
 今回のスペースは、狭・小でもある困難な広さです。今までは生け垣にしてありましたが、どうせ植えるなら、もっと家の庭らしい、有効活用した空間にしましょうというのが趣旨です。

 今までは乱雑にしていても生垣で隠されていたのですが、オープンになる分見えてしまいます。
 一度、必要なものを整理して、道具類は作る庭に合わせた木製の物置を設置して入れていくことにしていきます。

 ここは配管が浮き出るほど上に入っているため、植栽に支障をきたすことと、他の材料との色の相性を良くするため、ダークブラウンのクラシックレンガを一段並べてみました。

 この高さで足りるかと思いきや、今度は家の基礎が出てきたせいで植えられません!

 根鉢の小さいものを選んで持ってきたつもりでしたが、ここは仕方がないので、前庭であまった石を使ってさらに高い花壇を作製。植え込んだ樹木が姫シャラなので、ちょっと水枯れが心配ですが、お客様が水をあげてくださるということで、そのまま使用することにしました。
 左隣はシマトネリコ。こちらは何とか入れこみました。

 お客様の希望の五色南天をポストの下に配置。ここも配管のせいで掘れなかったので、ちょうど姫シャラ前で余ったレンガで縁取りしてかさ上げできました。怪我の功明かな?隣はブルーベリーと、アセビ。さらに右側には吉野ツツジ。

 これからは外から丸見えですから、ちゃんと歩く園路も作ります。同時に鉢置きとしても使用可能。
 鉢に入って置いてあるのは、ミモザアカシア。数年前欲しいと相談されたので、鉢植えで育てています。おかげで大きさも調整できます。その代り花は大きく減っちゃいますけど。

 サンドストーンの縁石があったので立ててみました。今回の石材はパステル調で統一。
 岩瀬砂で下地を作って並べた石の周りに、タマリュウを植えてもらいます。ここは低い位置にマンホールや量水器の蓋があるので、土がかぶらないようにするためもあります。

 アセビの下に一つだけ余った石を、石柱の左にエリカを植えつけ全体を整地しました。

 立水栓の右には、木製の物入れを置くことにしています。レンガを並べて足場を作っておきます。
 アセビの下の黒いものは、張り始めた防草シート。

 生け垣の隙間が気になるので、場ふさぎと初夏の彩りにジューンベリーを植えました。
 さらに芝さくらなど下草を配置し、緑を増やします。

 乱張り用の鉄平石を使って石のゾーンを作ってみます。
 今回はコンクリートを使わず、岩瀬砂で下地と抑えをしました。特にここには後から追加で草花を植えることのできるスペースにします。

仕上げに草花を植え、砂利を敷いて完成です!

 メンテナンスが楽で、低コストの庭を目指して施工しました。
 お客様もそのくらいの気でしかいなかったのですが、限られた予算でここまでできるとは思っていなかったようです。
 作業中、通る方にきれいになったと声をかけられるのがうれしかったそうです。

 予算は材料によって決まってもきます。自分はできるだけ自然素材(特に石材はコンクリート加工物ではないもの)を好んで使います。ここでも値段を吟味して、全て自然の材料で仕上げました。

 扱いやすい宿根草を石の間に植栽しています。

 鉢ものが多くありましたから、日々の水やりは慣れているそうです。
たまにさぼってしまうそうですが、このお庭では、植物だけではなく石にも水をかけることで深みが出ることを知り、水やりが楽しくなったそうです。これも自然素材の特徴のひとつ。

 自分としても、新しいグランドカバーに使える素材などを模索して使わせていただいております。お客様のおかげで勉強できることに感謝です。