庭を作るとき、ただ樹木を植えるだけでは思ったほど効果が出ない場合があります。
そこに樹木とは別の素材が加わることで、庭全体を引き立てることができます。
その一つが石です。
レンガなども悪くはありませんが、もっと自然な庭を作りたい場合、一つたりとも同じ形のものが存在しない石こそ、もっとも自然に庭を演出することができると思っております。
しかも少量でよいのも魅力。
もともと石のなかったお庭に、少量ですが石を運び、庭を作らせていただきました。

石を使って演出する
植栽・施工

 「家も新築し、ようやく落ち着いてきたので、リビングから見える庭をなんとかいいものにしたい。」
という御相談をいただきました。今は前の家から持ってきたものを置きっぱなしの状態になっているとのこと。
方角的には北側で、日光もあまり期待できず、お隣とも近く落差があるので、樹木はそれほど増やせません。
ですので最小限の樹木で、後は石や下草を多く使っていくことで話がまとまりました。

石を使うと言っても、こちらのお宅のように数個置くだけでよいのです。
一個でも別の素材が入ると、植物の見え方も変わります。
今回は仕切りをしたり、区切りを入れるタイプのお庭ではありません。
それだけにこれからの草花の植え方や、増え方次第で庭のボリュームや存在感も変わります。
そして、その増やしく過程で、ここを狙って植えていくというポイントに石を配置してあります。
その周りに植え広げていくことで、少しづつ理想のお庭になればいいですね。
また、手前に洋風な砂利を敷いたり、別のランドカバーを植えてみたり、住んでいる間にアイデアは膨らんでいくものでしょう、それが楽しいんです。

早速お客様からは、「ギボウシを植えたいのですが。」
と連絡がありました。
いいですね、このお庭にはとても合いますね。我が家にも数種類あります。
季節ごとに花が咲くように少しづつ増やしていきましょう。

相嶋造園

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 四角い敷地の一角を、斜めに切るように大きな吐き出し窓のあるリビングがあります。
そこから見ると、この北側の角が見える風景となり、敷地の中で一番いい植え場所、見せ場となります。
現在は、前の家から持ってきた樹木や草花を、植木鉢に植えたまま庭に並べてある状態。
 柏葉アジサイの裏側はお隣が低くなっていますし、ラティスの向こう側はお隣の玄関ドアになります。
これらを効果的に隠しながら、見栄えのするお庭にしなければなりません。
 手前の芝は、お客様が洋芝の種を撒いて育てた芝です。こちらのお宅のわんが庭を行き来するので、張り芝だとはがされてしまうので、この方法で増やしていったということです。御主人がんばりましたね!
これについても御相談を受けましたが、個人的には芝刈りだけしてあれば、この状態でも問題ないかと思います。わんが走る以上、砂利や別のもを使うとしても、やはりきれいに維持できませんからね。
でしたら、この方が返って自然ではないかと思います。

この状況から、次のように庭を作っていくことにしました。
○角地と言うこともあり、リビングから見下げると庭が下がって見えてしまいます。 
 そこで、土を入れて角を盛り上げ、同時に庭に高低差を出し、立体感を作り出します。
○メインツリーは常緑樹とし、葉がお隣に落ちないよう考慮しながら、目隠しも兼ねる日陰に強い樹木とします。
○洋芝から自然と続く植裁とし、家にある草花を植え込み、華やかさを出します。
 ロックガーデン風のイメージで、石を数個置くことで、単なる草花の寄せ植えではない庭を目指します。

作業は半日、その代りご主人にも手伝っていただきます。

 まずは全ての植木鉢をかたすところから始めます。
小物は家の方が最初に片付けてくださいました。
こちらに越して4年、結構鉢下から根が伸びていましたね。

 とりあえず、抜いたものは全て端に寄せておきます。
もちろん全てを使えるわけではありません。地植えしたらはびこって仕様がなくなるものもあります。
ただし極力使いたいと思っておりますけど。

 土入れ作業です。パワフルなご主人のおかげで、仕事は順調に早く進んで行きます。
 土入れの目安は、塀のブロック一枚分の高さを作ることです。全体を一つの山にするのではなく、部分的に山に高低差を出していきます。

 今回メインツリーとしたのは、独特の色合いが美しい、プンゲンストウヒ。もちろんイルミネーションもオッケー。
葉が落ちることも少ない上に、目隠し効果も期待できます。品種ものとしては人気の高い樹木であるだけに、価値の高い品です。
 ちなみに、実はこちらで使ったプンゲンス、見覚えのある方が多いかもしれません。何故なら我が家の玄関前で鉢植えにしてイルミネーションを飾っていた木だからです。

 向ってプンゲンスの左側には、家にあった侘介椿と、柏葉アジサイを植え付けます。柏葉アジサイは、かなり小さく切り詰めてあります。数年後はまた大きくなっているでしょう。

 こちらも同じく家にあったオリーブを右側の土盛りしていない部分に植えます。これは、皆同じ高さに樹木を植えたのでは変化が出ないからです。これで、お隣のお宅の扉の正面をふさぎます。

 実はこのお庭、思ったより日が当たることが判明。
朝日は一度遮られてしまうのですが、西日がもう一度当たるのです。
 ならばと、思い切って椿とプンゲンスの間にはブルーベリーを植えてみました。
実がなるとお子さんも喜びますし。

ここからは一気に仕上がりに持って行きます。

 植え込みの前や中側に、石を投げ込みます。
実際、お客様にはただ’放り投げた’だけに映ったかと思います。
 自然に存在する石は、自分でいい面を見せているわけではないのに美しく感じます。それに近づけたいと、投げ込むように石を置きました。

 こちら、お客様のお宅にあった一才藤の鉢植えを置く石は別です。
鉢が倒れてしまっては意味がなくなってしまいますので。
 他は投げて置きましたが、まったく考えずに投げられるほど、自分には悟りがありません。
この持ち方で投げれば、自分が置きたい向きに近くなるように埋まるだろう。そんな意思を込めて投げています。
まだまだ名人の域には到達できないですね。

 アセビやイワヒバ、グランドカバー類数種を家から持ってきて石に合わせて配置しています。
 ここで大切なのは、植えすぎないことです。
自分の植え方の癖は、ポイントになる個所には集中して植え、植えないつもりの個所にはほとんど植えないことです。

 「先生、これは何ていう植物でしょうか?」草花に疎い自分とって、お客様は先生でもあります。
お話しながら、庭ではびこりそうなもの(ミントなど)は植えないように選択します。

 庭を演出しようと思ったお客様が、以前2個だけ試しに買ってきて放置されていた枕木を発見。
 こんなおいしい素材をそのまま置いておく手はありません。早速電柱の支線の根元に段違いに立てて、裏手に家にあったツルニチニチソウを植えます。お隣の目隠しも兼ねて、フェンスに絡みあがってくれるといいのですが。
 はびこる草花は、植木鉢のまま植えます。あとで別の気に入ったものと取り換えることも可能になります。

 とりあえずバラも空いたスペースに。
日当たりの関係上、ここでは植えてもよくないでしょうから。

 庭は作った段階で完成だとは自分では思っておりません。
年数が経つごとに、樹木が育ち、草花は増えてきて、さらに今後気に入ったものがあった場合、植えられることが大切だからです。
 ですから最初はこのくらいで十分です。最終的に庭を育て行くのはお客様自身です。そのアウトラインをお手伝いするのが自分の仕事だと思っております。
 「だんだんよくなってきたよ。」家の息子さんのお言葉、お若いのにセンスあるね。将来うちで働かない?