〜お宅まるごと庭作り〜
今風の回遊式庭園を作る・後編
植栽・施工

 当初、作製過程を説明する前編と、写真集として後編を予定しておりました。
しかし、載せたい写真が多くなったため、無理にデータを詰め込むより、3部作にした方が見やすいと考え直し、1ページ追加いたしました。
早速園路を歩いて庭園内側に入っていきましょう。

相嶋造園

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やはり暑さが抜けていない時期の植栽だけに、落葉樹の大きめなものがほとんど使えませんでした。
逆に言えば、植えたばかりのグランドカバーも含め、これからがどう成長するかとても楽しみなお庭です。
早いものでは、来年大きく伸び出すでしょう。
全体のバランスを取りながら管理をしていくのは、その先を見るという意味でも楽しい作業です。
かなりメリハリもつけたお庭ですから、後はどれだけ雑草に負けないかがポイントになります。
いち早く雑草を抜く意味でも、回遊式にして奥まで入り込むことで、全体を楽しむお庭になるといいと思います。
このお庭の5年、10年後が本当に楽しみです!

 植栽右端に位置するミツバツツジを目印に、枕木が奥へと道を作ります。英国風を意識しました。

 芝生側の力強い石とは対象に、ピンクのベースに黒いゴマがまぶされたような、かわいい桜石を並べ、その周りにはゴールデンモップやブルーカーペントなどのコニファー、ワイヤープランツやオキザリス、ミツバツツジの周囲にはタイムやミントなど6種類のハーブを植え込みます。なるべく洋種を使うことで、枕木と合わせた洋風ガーデン風に仕立てました。

 お隣との塀際は、ソヨゴを筆頭に宮川早生みかん、チャイニーズホーリ、トキワマンサクなどといった背丈前後の常緑樹を植え、落葉等がなるべく周囲の邪魔しないように配慮しました。何せこちらが新参者ですので、無用なトラブルは控えないといけません。
 ちなみにソヨゴはメス木3本を寄せ植えにしています。

 シダレモミジの周囲は、斑入りのハイビャクシン、タマリュウやハクリュウ、イワヒバなど和のテイストを集めました。他にベアーグラス、リプソフィラなどイメージを変える植物も植えてみました。

 休憩スペース奥は、クリスマスローズのエリア。約50株のクリマスローズを植えました。ほとんどが、地元で栽培している方から直接買取。珍しい品種は枯れやすいので、数種類混ぜてはいますが、わざとオーソドックスな品種にしています。グランドカバー代わりに、リナリア・ミッドナイトサンを使用しています。フィリフィア・オーレアや玉仕立てのアセビをポイントに。
 入口前の材料を意識して、黒ボク石や枕木などを使い、紅白のトキワマンサクを植え込んでみました。この主庭は、必ず他の植え込みスペースと同じ材料を入れることで、全体のつながりを感じ一体感を持たせるように心がけています。

 チャイニーズホーリ、アロニアの実が綺麗です。

 ちょうど井戸小屋の先から、枕木はなくなります。
今までは、園芸品種を多用してきましたが、ここからは山野草や昔ながらの植物がメインになります。
自然と道も土に戻り、野山に迷い込むイメージになります。木々が生い茂り、下草が繁茂する、自然の生命力と癒しがまさに自然回帰をうたったこの庭の特徴になります。

 奥に進むと現れる高木は、クロガネモチの本株立ち、山どりのアオハダ、ヒメシャラの株立ち、トネリコ株立ち、山どりコシアブラとオトコヨウゾメの株立ち、ブナ、西洋ニンジンボク、キンモクセイ、山もみじ、常緑ヤマボウシ、シマトネリコ、クロモジ、姫コブシです。まだ樹高1m足らずの樹木も含みます。いかに周囲と調和を目指し、形を作っていくか、そのためには最初から大きいものを植える必要はないと思っております。

 ここから石の質も変えます。群馬県三波石の青石を主に石と植物を混ぜ合わせます。一山買いしたので、使い放題で入れていきます。
ツワブキもつぼみを大きくしています。グランドカバーにバゴパを使い、花と草を楽しみます。

 井戸の横には定家カズラと斑入りのスイカズラを植えました。井戸小屋にかぶさるように上から垂れ下がって欲しいのですけど。さらにワレモコウ、千日紅、岩シャジン(お客様セレクト)、ゲンノショウコ、ミズヒキ、ヒマラヤユキノシタ、姫キキョウ、イベリス、ギボウシ、オモト、ナルコ百合、など宿根草を多用しました。

 タマリュウが全体を覆ってくるのが待ち遠しいです。起伏をつけた植え込みが際立ち、細い野道もはっきりしてきますので。
 低木に、黒船ツツジ、吉野ツツジ、ゲンカイツツジ、江戸むらさきツツジ、ツツジ花遊び、サラサドウダン、コバノズイナ、カルミア、シモツケ、サザンカ’朝倉’、ハイ寒椿、ヒイラギ南天、レンギョウ、コバノズイナ、今は低木扱いですが、後後ボサボサにしたい西洋ニンジンボクも期待株。

 一番奥側は、暗いイメージになってしまうので、三波石を並べて足元を明るくします。ここは軽い築山です。 キンモクセイが垣ドメの木として一番奥に。開花とともに香りが立ち上っております。 
 シュンラン、ドウダンツツジサツキなどを植え込み、センリョウ、アメジストセージやクローバーの紫葉を雑草防止にほこらせる予定です。

 お隣側に埋めてあるコンクリート平板を隠すため、レンガ調ブロックを並べます。
 山アジサイや柏葉アジサイなど、お隣のアジサイの列植に負けじとアジサイロードを作っちゃいました。

 1m近くはびこるお隣のアジサイがどのくらい伸びるかで、奥の通路の使い方が変わります。

 折角スペースがあるので、ブルーベリーを数種類植え込んでみました。お孫さんがきっと楽しみにしますね。その下にはいちごでグランドカバーです。ランナーが伸びるので、スペースを広くあけ、将来的にはいちごを避けつつ歩くくらいボサボサにする予定です。
 場所をずらしてビルベリーも入れてみました。お客様の買われた清美オレンジもその前に植えます。実を収穫できる楽しさも庭の醍醐味です。

 フェンス際には初雪カズラを並べて植えています。コンクリートの擁壁にかぶるように生えてくれるとうれしいな。
 バードバスの横にアジュガ、黒竜を足します。ついでにギンバイカも植えますまだ小さいですが、どのくらいの大きさにするかは周りと相談です。

 坪庭と主庭の御影石という素材を共通に敷いて使っています。実はヘキサゴンストーンと六法石も、和もの洋物の違いはあれど仲間です。主庭のピンク砂利も交ぜているので、別物を作ったわけでもないんです。雰囲気は大分違いますけどね。

 厚く、きれいなガラスが反射して室内からうまく見えないのがちょっと残念です。しかし、重厚感と高級感をお伝えできるといいのですが。
 窓の構造を考えていませんでしたが、実はそういう仕様も庭作りには大切でした。

回遊式庭園とは、庭を外から眺めるものではなく内部を歩いて色々な庭の顔を楽しむ、一種の大人の遊びであると言えます。
現存する、日本を代表する庭園の多くが、そういう作りになっています。
世界中で色んな様式の庭があるとしても、やっぱり庭は楽しむ場として作れます。
しかし、日本人のすごいところは、そこに哲学や思想を練りこんでいることです。
自分はそこまで高尚になれませんから、歴史や作法とはちょっと違う、何でもありの歩いて楽しめるお庭を作ってみました。
それを勝手に今風と題してみました。

今回は、家の敷地全体の植栽をゼロから作ります。
ボックス型の植栽スペースや坪庭も含め、土の残る部分の大半を任せていただきました。
主庭を含めてお宅まるごとの庭作りです。

ローズマリーやチェリーセージ、ボックセージ、セロシアなど花のきれいなブッシュ系の植物と、ツルマサキやヒューケラを使いました。とにかく一度に全てを植えるには広いスペース。大きくしながら、足りなければ好きなものを植え足すことも可能です。

シマトネリコの下にヒュウガミズキを植えました。

 全体がわかりにくくて申し訳ありません。いくら写真を重ねても、同じようなものしかないと伝えきれません。
数年後、改めて庭の変化をお伝えしたいと思います。

最後に改めて坪庭をご紹介です。

 かなり雑草に近いポリゴナム(ヒメツルソバ)ですが、色の混じる葉といい、ピンクの可愛い花といい、うまく使えれば悪くない植物です。坪庭はゴチャゴチャ植えてもうるさいだけです。いかにシンプルにまとめるかが難しいのですが大切です。