一戸建てに住む方々にとって、自分の家の庭が広いことは誰しも願うことです。
もっと広ければあれも置けるしこれも植えられる、それにこんなこともできる。
しかし現実的にはそこまで余裕がないのが当たり前。
狭い庭、小さいスペースには植木を植えることもできないのか?
そんなことはありません!
ここにいくつかの施工事例を掲載していきたいと思います。

狭・小に負けない庭作りA
植栽・施工

 狭い植栽スペースを生かした植え込みを教えてもらいたい。また、植えるスペースを作るため、ガレージのコンクリートを砕いてほしいが可能か?お客様からコンサルティングのご依頼をいただきました。
 それから段階を踏みながら、だんだんお客様の御希望に沿うような庭造りを進めていきました。
できることは自分で、教えてもらいことや、やってもらった方が無難と思われる作業はこちらで行いながら、指南させていただきました。実際ここまで良くしたのはお客様ご自身の力です。
ここまでの出来を、皆様にも参考にしていただきたく掲載します。

狭いスペースを有効に使いたいなら、どういう植栽計画にするかを考える前に、実際どこまで植え込みができるのか、よく自分のお庭と相談することです。
これは狭・小@で書いた内容に重複することでもあるので省略します。
さらに、今回のようにコンクリートを割るという相談も数件あります。
実際割るまでいったお客様はいませんが、植木鉢でも十分植え込みを行うことができます。
他に、一番底の部分に水抜きを作って、レンガを積む方法もありますが、これは大きな樹木向きではありませんので(3段〜5段くらいでしょう)、注意してください。
アイデア次第でよい庭にすることはできます。
色々相談にも乗らせていただきますので、楽しいガーデンライフにしましょう!

相嶋造園

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玄関側

 道路より家の建築ベースが高くなっている構造。
玄関ドアに至るまで、階段状に上がって行きます。手前はコンクリートで覆われ、ドア奥に植栽スペースがあります。

 コンクリートに穴を開けて、花壇を作れないか?という相談もありましたが、できるだけそれはしない方が良いとアドバイスしています。これだけ道路と距離が近いと、コンクリート自体割れないように頑丈に打ってあること、そうやって道路と家の間を埋めることで、家の強度も増しているので、コンクリートを砕くことで、そのバランスを崩すことに成りかねないこと、玄関前は、配線、配管が集中しているので、傷つけるリスク、砕いてもそれらのせいで満足にスペースが確保できない可能性もあります。
ですので、コンクリートは砕かずに、鉢植えで対処することをアドバイスしました。

 植栽できる土のスペースは、これも全体に使って植えるのはやめた方がよいことをアドバイス。
壁に電気や、ガスのメーターがあるので、検針の方がそこに入って行くことも想定しなければいけませんし、自分自身も何かあったら通ることのできるスペースは確保しておく方が良いからです。
また、雨水の配管が家の壁側を通っています。その部分は植栽できないと考えるべきです。
 それを踏まえた上で、植えらるのは、フェンス際40cmの幅。
玄関から下がっているので、それに負けないボリュームのあるものを手前に。できるだけ電柱や支線は隠すこと。お隣は植木を植えていないので、そういうものを嫌う人かもしれないことを考慮して、お隣に出ず、葉の落ちづらいものを植えることを目標としました。

で、お客さまと選んで植えた形がこちら。

 玄関前の段差を隠すように、ふわっとした樹形になるカルミアを手前に。メインはヤマボウシ。その横に支線を隠すように雪柳を配置。お隣側は、鬼門除けの縁起担ぎも兼ねて、実の美しい南天を植えました。どれも一回り以上小さめのものを植えています。
 スペースが狭い場合は、特に無理して大きいものを植えてはいけません。将来の育ち方を念頭に、小さめの木の方が管理が楽になります。

 根締めや彩り、落葉期に寂しくならないように常緑の下草を植えます。オモト、シラン、波状の模様に見えるように玉竜を植え、南天の下には斑入りのふっき草を植えました。
 最初からあまり欲張って植えるのは感心しません。一回り小さな木を植えることと同じで、将来すぐぼさぼさになってしまっては後の管理が大変になるからです。
 少ないくらいに植え、様子を見ながら好きなものを増やしていく方がよいでしょう。

 「泥はね防止や、草を生やさないように砂利や石を敷いておくとよいですよ。」とアドバイスしましたが、その後こんな素敵なデザインを自身で施工されました。雰囲気とてもよくなりましたね!お見事!いいセンスです。

 表札のお隣に植木鉢で置かれたのはトウヒ。クリスマスツリーです。
省スペースに合わせていくため、手頃な大きさのものを、好みの大きさに仕立てていきます。
 そのために、植木の幅もどのくらいがいいかよく測ってから買いましょう。
 まだ一つ植木鉢が空いていますね。何を植えようか想像するのは、とてもワクワクする作業。

 こちらは山アジサイ。
おしゃれな植木鉢をセレクトされました。
鉢選びも、何気に楽しい作業だと実感します。

ガレージ

 車を楽に2台置くことのできるガレージではありますが、家では1台置ければ良いので、奥のスペースはコンクリートを割って花壇にしたい、という御相談でした。
 こちらも、やってできないことはありませんが、玄関前のときと同じ理由で、今回は砕かない方向で作業することにしました。
もし、コンクリートを割るのなら、だた壊すだけではくて、その分しっかりとした補強と、手直しをした方がよいでしょう。簡単に砕いて終わりと思わない方がよいですよ。
砕いた場所からひびが入ったり、割る振動で全体にゆがみが出たり、目のつかないところでダメージが出ることもあります。さすがにこちらも責任取りきれませんから、砕くのは覚悟と決断が要ります。
 今回は鉢植えで満足できなければ、砕く方向で決定。

 先に、リビングから続く吐き出し窓の下にウッドデッキを作る作業を行ってもらいます。こちらは専門業者に依頼されています。
 完成後、お客様の独自に買われた樹木と、注文いただいた樹木を植木鉢に移植して配置していきます。

 ぜんぜん雰囲気が変わりました!
今までは家を通り越して向こう側が見えていたのに、手前にフェンスと扉が付いたおかげで、外から見えないプライベートな空間になりました。
この演出はなかなかですね。

 そのフェンスの両脇に、左に月桂樹、右に黒竹を配置。どちらも地植えするより、木の大きさや根の張り出しを制限できるため、こういう使い方がいいと思います。植木鉢もユニークなものを選びましたね。面白いです。

 ウッドデッキの上には、リビングから見えることと、お隣の窓の目隠しも考慮して、高級樹木ソヨゴを使用。これだけで庭に風格を与えています。

 そして、ウッドデッキ奥には、コンクリートを砕かずに、鉢植えにした(左から)ハウチワカエデ、レモン、ヤマモミジ、シマトネリコ、ユズが置かれています。
目隠しも兼ねているため、常緑樹の割合が多いです。ですので、樹木に高低差をつけたり、大きさを調整してそれぞれが調和して成長できるように見守っていく計画です。

 ハウチワカエデは、下枝は考えず、頭上から枝を張り出させます。
その分足元を隠すように、柑橘系を配置。
課題は、夏の時期の日照の確保です。

 畑からの目線を一番遮るのは、シマトネリコの株立ち。南側で日当たりがよいので、枝葉がよく伸びています。
また、鉢でも下草を植えることは可能です。四季の花を植えるのもいいですね。

 これら全てを生かしていくことに大切なことは、それぞれの枝の出方を見極めて、木の成長にも、人の生活にもなるべく不便にならないように配置することです。

 2頭いるパグくんたちも、ウッドデッキのおかげで行動範囲が増えて、遊びも楽しくなったことでしょうね。所狭しと駆け回っていました。

家側面・南西側

 日当たりのよい、道路に面した南西側。土のスペースではありますが、幅が狭いこと、地面に配管が幾筋も通っていることから、樹木の大きさだけではなく、根の大きさも選ばねばなりません。
 こちらは試しにお客様の選ばれたラズベリーを植えたときの写真です。フェンス際いっぱいに植えても、埋設されている雨水管に邪魔をされ、根を埋めきることができませんでした。
しかし、これは最初に見た段階でわかっていたことですので、それを逆手に庭造りのアドバイスです。

 最初からフェンス下のブロックの高さまで植える位置を上げてしまいました。土が崩れないように石などで土抱えをします。これで、植栽スペースと、歩くスペースの高低差ができ、狭いながらも庭に立体感が生まれました。
 樹木も、実のなるもの、自然を体感できる樹木を主題とした選定で、趣ある樹木が入りました。
手前から、アオダモ、ジューンベリー、ラズベリー、ブルーベリーと植えられています。
ここは特に目隠しではありませんので、お客様好みの樹木を植えました。全て落葉樹ですが、その分さみしくならないように常緑の下草を増やすことで、賑わいのある植栽になりました。フェンスや支柱を巧みに使い、樹木は横に枝を張るように誘引しています。

道路側から見ると、うまい具合に強弱ついて、植木鉢でも本格的な庭ができていることがわかります。

 最初にアオダモの下に石を並べて園路との境界を作ったのは自分です。
しかし、その後を続けて並べたのはお客様自身。ご自分で好みの材料を買ってきて、好きなようにアレンジして並べられております。本当に楽しんで作られているな、ってわかるお庭です。
 下草も、最初の見本にいくつか植えたものを、独自に発展させています。四季を感じる庭がお客様の目指すところ。これから四季折々の植物で埋もれていくのでしょうね。楽しみです。
 園路にはお客様自身で砂利を敷かれております。地面に明るさが出ました。

 低木は、斑入りジンチョウゲ、細葉アオキ、屋久島アセビなど少し変わった品種を用いました。
どれも背の高さを低く抑えられるのがいいところです。
それに、お客様が買われたクリスマスホーリーなどを植えこんでいきました。
さらに、ツワブキ、芝桜などのグランドカバーを植え、後はお客様のお好みのものを植えるスペースに。

 家側のカギ字になっているスペースも、余すところなく利用します。
ここにはリクエストのあった本サカキをお持ちしました。縁起の良い木でもありますし、フェンス沿いの外側ばかりの植栽だけではなく、内側にも樹木があると、園路が楽しくなります。
ただし、欲張りすぎると後で使いづらい庭になってしまいますので、最初はほどほどに。
 境界に木材を使うのはいいアイデアです。砂利にも合います。異なるスペース毎に、材料や形を変えた素材を使うのは面白いですね。