我が家の庭先の野草も鉢上げして出番を待ちます。

さあ、荷物の用意はできました!材料満載のトラック2台でいざ出陣!

 今回はお客様から、作業中の写真をいただけました。
それも使わせていただきながら、完成を披露していきたいと思います。

 材料を確認しながら、お客様が起こされた最終イメージ図。
こちらはあくまでも実寸とは違うものなので、このイメージを大切に実際の材料を吟味して、現場で合わせていきます。
 模様の入る石は好きではないなど、実際見てもらう中でわかってきた好みもありました。どういう質の材料を使うかで、庭の質も変わってきます。

 ここからまたお客様と改めて打ち合わせです。再度材料の確認もいたしました。
こちらの提案と、お客様のイメージ図によって、方向性が決まりました。いよいよ庭つくりを始めます!

 最後は、息子に手伝ってもらって完成させました。後はできるだけ長くもってもらいたいですね。
キシラデコールの説明書を見ると、初回は2年そのままで大丈夫、その後は毎年塗り直しましょう。とか書いてありました。お客様も感激してくれて、「これだけでも雰囲気変わったから庭作らなくても素敵になったしもういいかも。」なんて冗談にならないことをおっしゃいます。
まだまだ素敵にしますよ!

 思ったより材料代が高くなり、お客様の負担が増えて申し訳ないので、現地作業は一人で行います。例の排水設備の配管が邪魔で、ガラも多くうまく柱を立てるのに苦労しました。配管のせいで、多少柱が前後していますが、天然木のねばりに期待します。 
 足元は、思ったよりぶれませんが、コンクリを表面に流し込みます。

 今回使用する色は、ウォルナット。自分もこの色はいいと思っておりましたが、お客様もそうだったようです。
一度目は伸ばすようにローラーを使って薄く塗りました。2度目は少し厚めに、木目の節の部分なども色がつくように塗ります。結局、完全に乾かす日を一日とって、並べたり、かたしたり4日かかって塗り上げました。
家の前を通る近所の方が、興味深く眺めたり、声をかけたり注目の的になっておりました。

 最低4時間は乾かして、2回目を塗れと書いてあります。4時間もかかって乾くのかと思っていたら、実はそれでも乾いていませんでした。乾きが遅いということは、それだけ乾かずに中まで浸透していっているってことなんですって。その乾きの遅さが特徴であり、効果を生んでいる人気の理由なのです。これだけ一度目でも色が変わります。点数が多いですから、だんだんお店も広がります。

 手伝いたくて仕方のない長男に手伝ってもらい、環境の影響を受けづらい車庫の中で塗り始めます。2度塗りは必至なのでどんどん塗っていきます。思ったより塗り易いです。伸びます。少量でいけます。ローラーも使えます。

 材料屋さん、大工さんに聞いても、防腐剤はキシラデコールを勧められます。正直一番高い。でも高いだけの効果があることを期待します。油性の方がしっかり馴染みそうですが、使いやすい水性を使用します。

 悩んだ末、柱はタナリス防腐剤浸透の木材、横板は普通の材になりました。この上から防腐剤を塗って着色するわけですが、タナリスの青味のかかった上からでは、色が濁って出てしまうのでは?という判断でした。
足は埋めたくないので杭を使用。どうしても、埋めてしまうと水が上がってしまい、柱がダメになると言われております。柱は90o角の太いものなので、それに合うものあるかなと思ったら、ウッドデッキ関連コーナーにありました。強度を増すために、設置の際にはセメントも流し込みます。

 今は樹脂やアルミなどの擬木製のものが多く出ています。実際、こういうフェンスは擬木を選択されるお客様しかいらっしゃいませんでした。以前に比べて質が格段に良くなったことと、廉価版だと予算も抑えられるからです。
長年持ちますから経済的と言えます。
 そうは言っても、やっぱり本物の質感には及びません。天然のものにしかないものは、その経年劣化による’味わい’です。
お客様の中には、竹垣のもう崩れかけの質感が一番好きという方もいらっしゃいます。
予算も擬木製より低く抑えられますが、その後にメンテナンスをしなければならないことや、では何年持つのか?という疑問は付きまといます。擬木製と同じだけ、もしかしたらそれ以上の予算を見られれば、材木の世界で一番堅いと言われるウリン材を使用することもできますが、よほど思いきらないとそこまでのものを使う方はいません。
 今回も、そのあたりのせめぎ合いの結果、「ヒノキが好き」というお客様の希望に沿わす形で、天然木でのウッドフェンス作りとなりました。

 ここで、お客様と、実際の材料を吟味することで、使う素材の選択をしていきます。
一度、こちらのホームである野田市に来ていただき、材料のある仕入れ先や大型ホームセンターを見て回ります。
お互いずいぶん悩みましたが、先ずはウッドフェンスを作製します。

 気持ちよくきれいになりました。これからが腕の見せ所です!

 こちらも負けてはいられません。助っ人と二人で、どんどん芝をはがし、植木を抜きます。お客様は全ていらないお話でしたが、クレマチスや雪柳、ムスカリの球根などは新しくしても使えるかもしれません。仮植して残しておきます。想定外に古いタイプの配水管が周囲を巡っていて、庭作りには支障があります。今後これをうまくかわしていくことになります。

 壁の部分だけモルタルで補修。こういうことも本職だから簡単に行えます。作りが簡単だったおかげで、壊すのも想定内で済んだようです。

 コンクリート砕きは解体屋さんにお願いしました。自分でも砕けないことはありませんが、これだけ大きい破砕機じゃないとやっぱり大変です。しかも横のつながりでかなり勉強してくださいました!

 先ずは全てを取り除くことから始めます。
まだ庭の形は決まっておりませんが、これから新芽が伸びる前に、芝など厄介なものは処理しておく方が作業が楽です。さらにきれいにすると、より庭の存在を実感できます。

 広さは、約8mx3m。居間から見るにも、張り出した一段高い室内から見るにもいい感じにしていきたいとのこと。できれば窓の下のコンクリートも砕いて欲しいとの相談。車の横と2か所ありますが、邪魔な存在であるのも事実。これを何とかしたい気持ちはわかります。実際車の横など、ドアが大きく開けられない要因になっています。

 まだ一度も手入れをしていないという主庭。
この中には、残念ながらお客様のイメージされているものがないということで、一度全て抜いてきれいにしてしまいます。

 「知り合いで庭を作り直したい方がいるんだけど、話聞いてもらえる?ちょっと遠いんだけど。」
お客様からご連絡をいただきました。こちらこそありがとうございます!です。
遠いのに、わざわざご連絡いただけたことの方が嬉しい話ですから。
 現場を見せていただく前に、お電話でどんな内容か確認させていただきました。
こちらでアドバイスもさせていただきながら、次回お伺いするまでにお二人のイメージを固めていただくことで決定です。
 後日、打ち合わせに行くと、そこには素敵なイメージ図が!
「これ、自分が書くよりうまいです!」という驚くと、「実は本職なんで…。」
絵を描くお仕事であるなら当然うまいわけです。しかも実は高名な方です。
さらに奥様も、東南アジア踊りを基本に、創作ダンスをなさる芸術家だったのです!
 まだこちらに住まわれて一年も経っていないそうで、中はリフォームされていましたが、庭は手つかず。
リフォームにおいても、品のいいこだわりあるものに仕上がっています。
庭も素敵なものになさりたい気持ちが伝わってまいります。こちらも気合が入ります。

 お客様のイメージされているお庭は、砂利や枕木を敷いたシンプルなお庭です。そこに数本形のよい木が入り、後はお好きな山野草など下草が植えこまれたお庭です。ウッドフェンスを立てて、目隠し兼雰囲気を出したいとのご希望もありました。何度も行き来することは難しいだけに、よく話をしながら理想にあう形を模索していきます。
 

相嶋造園

'マエストロ'それは単に芸術家を指し示す言葉ではなく、その道を極めた者に対する敬称でもあります。
今回お世話になったお客様は、まさにお二人ともその道の'マエストロ’。
そのお庭を作らせていただけることになりました。
そのこだわりとセンスは、一緒に庭のデザインを考えて行く中でも楽しい作業でした。
ですから、タイトルをマエストロの庭といたしました。
凝縮された空間を作りました。

 一番奥には姫シャラを植えています。その手前の石組みは、庭の中でももっとも地面が高く、築山になっております。岩の間から染み出る水が川となって流れ出るイメージです。迫力ある大きさの部材を使わない分、石の形と置き方で力強さを表現しました。

 ブルージュロードストーンは、目地を広めにとって、隙間は岩瀬砂で固めています。御影石の粉が主原料なので、濡れると締まります。山アジサイを目立つポイントに配置しました。

 室外機カバーとリュウセン枝垂れモミジ。室外機カバーは、ウッドフェンスと同じ、キシラデコールのウォルナット色で二度塗り行っています。風合いがフェンスと同じになってグッド!しかもカバーの持ちも良くなると思います。沓脱石の上から見ると、右写真のようになります。手水石まで平らに見えるように作っております。

 午後2時ごろから石の陰に入るので、あえて表からは見えませんが、目立つところに植えてみた一人静。先ずは枯れないで育ってほしいです。

 ここは山深いので、植栽も連続して植えています。石の裏手にシラン、ふっき草、シュウカイドウ、ギボウシ。石の前にはヤブコウジ、白雪ケシ、大きな木として黒ロウバイ。青花のキャンドル、目立つ位置にはヤマブキソウを植えます。どれも増えていく種類。年々このエリアが緑であふれるようになるのが理想です。

 枝垂れモミジの下には、フィリフィラ・ゴールデン、ヤブランが植えられています。室外機カバーの横は、ツワブキを植え、裏手からせり出してくるように演出します。また、さらに石の横にはオモトも植えてあります。

 元々施工されている、ガレージの縁取りのレンガより、地面を高くはできないので気を付けます。しかし、もともと土が多すぎるので、削りながら庭を作りましたがギリギリになってしまいました。なのでグランドカバーを手前に植えることで、それが増えれば草防止と土の流出を止めることができると踏んでいます。枕木は、長持ちさせるために下に岩瀬砂を入れ、水分の上りを減らします。もう少し高く設置してもよかったですが、後のちタマリュウや芝桜が盛り上がってきたら、浮かして高くするつもりでおります。
 ここは庭の広さを見せる場でもあるので、多く種類を使わず基本タマリュウと芝桜だけで低く仕上げました。伊勢ゴロタの残りで、横にアクセントを付けます。ここだけ彩りをよくするために斑入りのヤブランを植えます。

 

 今回は、芝の跡地の庭つくりなので、万全を期すため、飛び石を敷く前に防草シートを敷きます。防草シートは、切り込めばそれだけ隙間ができてしまいますから、草も生えやすくなります。今回は飛び石も薄いものを使うので、安定感が悪くなる心配はあるのですが、防草シートの上から岩瀬砂を使って安定させるように飛び石を敷きます。

 主要な石と、樹木が配置された状態です。大きいと思った沓脱石も、配置してみるとむしろいい存在になりました。枕木を置き、室外機カバーもつけてみます。

 その手前に、手水石が置かれます。最初に、お客様の中に手水鉢のイメージがあったらしく実現させました。陶器にするか石にするかなどの選択肢の中、これに落ち着きました。こういうものは、探し出したらきりがありません。時間をかければそれだけ石代に乗ってくることもあります。最終的にこちらで選んでよいと言ってくださったので、お客様の候補の中からこちらを仕入れてきました。

 今後の課題として、元から植えてあった芝や雑草がそれだけ出て来るかです。安定した石と、広がる植物を多く植えて、それらに負けない庭にしていきます。

 3トントラックに山積みにした荷物を、上から使っていきます。一番奥に位置するところに石組みを作ります。ここが一番高くなるように、山のイメージとします。わざと角ばった石を斜めにして置いたりして荒々しさも出していきます。

マエストロの庭

家の裏手に回る最後は、築山を下る階段状の飛び石と、排水マスを隠すための植栽です。家の横にはユキヤナギ、石をサツキで視線を遮り、マスの周囲にはリシマキアを植えて、マスを隠すように広がるようにします。

 砂利で隠した下には、排水マスがあります。マスの蓋をネットで覆い、周りにはゴロタを積んで砂利が飛び散らないようにします。
 砂利奥に植えた低木は、コバノズイナ。花つきが良く、紅葉のきれいな木です。

 凝縮された空間ができました。なるべくご希望に沿う材料を用いましたが、最後は自分のスタイルで仕上げました。
これがよかったか?どこまで気に入ってもらえたか?これは毎回庭を作るたびに消えない不安です。
 特に今回は芸術に秀でたお二人のお庭。やはりこだわりがあると思います。
こちらもデザインだけではなく、後の管理も考えての施工をしております。
それを踏まえたうえで、全体を紹介していきましょう。

 防草シートを敷き飛び石の配置をしたら、実際に砂利を敷きながら、飛び散らないように淵を作っていきます。手前は芝桜で砂利止めにします。伊勢砂利の大きい塊である、伊勢ゴロタを磯風に使って護岸します。最初に作った石組みの築山から、川に見立てた砂利がスタートします。ここから湧いているようにイメージします。手前の草原に見立てた、芝桜奥にある排水マスがゴールになります。

 メインの石がかなり先細りに尖っているので、もう一枚踏み分け石として小さめの根府川石をはめ込みます。これにより格段に使いやすい沓脱石となりました。

植栽・施工

 数ある沓脱石候補からお客様が選ばれた根府川石です。本来の沓脱石とは違い、こちらは普通の大きな平らな石です。四角くもありません。庭師の腕を試されたような材料に、こちらも気合が入ります。

 庭が完成しました。いつもと違って、元のイメージ図を書かれたのはお客様自身です。どうしてもその通りに作れてはいません。そこがどれくらい納得していただける差異か、今後修正できるのか。さらに言えば、植えた植物も生きついてくれて、茂ってくれるか。ご夫婦がマエストロだとしても、これに応えるものと、譲れないものを持ちつつ、今後さらに庭を良くできればいいと思っております。

 「ひっそり咲く花が好き。」とおっしゃる奥様に合わせて、ひっそり咲く植物を中心に植えました。左はヤブコウジの花。そして赤い実になります。サツキやシュウカイドウは、7歳の息子が鉢上げしたものです。根付いてくれるといいのですが。

 手水石の周りは、コクリュウ、イワヒバ、そして奥にはヤブコウジとアスチルベを植えています。まだ小さいですが、フェンスで木陰ができるエリアなので、成長を期待したいです。同じように、伊勢ゴロタの間に植えたふっき草も広がって、草防止と砂利止めになってほしいですね。

 ここで使っている枕木は、基本飾りです。歩くためのものではないので、手前周辺にだけ配置しています。フェンスの脇には、黒系の花の咲くクリスマスローズを植えます。ウッドフェンスも塗り替えが必要になりますから、フェンスに被りこむ木はなるべく避けます。

奥の方まで植栽をし、タマリュウを植え込み、庭が完成です!

 タマリュウ植えが終わらなかったのですが、ひとまず材料を使い切りました。もうちょっと植物も増やすことにして、また次回の作業となります。

 手水石の周りには、’ブルージュ・ロードストーン’と書いて売っていた石を使います。実際ブルージュの町で道路として使われていた石だそうで、石畳風に並べるのに最適です。
飛び石も、インドネシア産とのことですが、石質が根府川石と同じなので、まったく違和感ありません。ただし、薄いせいもあり、石が平らには作られておらず、若干歩きにくさは否めませんが、主目的が室内から眺める庭であることから、お客様的にはさほど気にする問題にはならなかったようです。