庭の主役は誰か?
もちろん、その庭の持ち主、お客様ご自身です。
たまにそれをはき違えて、自分が芸術家のように作庭する庭師もいます。
しかし我々は、専門家の立場からよくなるようにアドバイスすることが仕事の基本だと思っています。
そのアドバイスにより全てを頼まれる方、部分的に注文される方、それはお施主さんの自由。
その中で自分が一番好むスタイルは、やる気のあるお客様と一緒に、お客様のお庭をプロデュースすることです。
ご自分のお庭なのですから、楽しみながら一緒に作ると、さらに庭に愛着が湧きます。

お客様と作る庭A
植栽・施工

 植木センターで、商品の搬入をしているときにお知り合いになりました。
たまたま我が家の木に目を留めてくださったのが御縁となり、樹木の配達、植え込みをさせていただけました。
そして現場でお話していくうちに、お客様と一緒に、この庭をさらに良くしてくことになったのです。

配達・植え込み〜石並べ砂利敷きまでの作業一式で、日数は1日半。
お客様がお支払いになられた総費用は、約8万円。(もともとあった樹木やレンガは除きます)
これが高いか安いかは、それぞれのご判断にお任せします。
全てこちら任せだったら、同じものでも倍近くかかったことは間違いありません。
こちらのお客様が、矢継ぎ早に次のご相談をいただいたところから察するに、とりあえず気に入っていただけようで一安心。
人に喜んでもらえることに、この仕事に転職してよかったと思います。

相嶋造園

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 樹木搬入当時のお庭。ご自分で管理されているそうですが、とてもきれいにしていると感心します。

 もともとフラットな地面に樹木が植えられていたのですが、ご自分でレンガを並べ、その上に土を入れたそうです。
ありがたいことに、植栽の邪魔にならないように、レンガははずしておいてくれました。
 先に注意しておくことは、樹木の深植えはNGということ。深く植えすぎてしまうと、根に届く空気が少なくなって樹木も窒息してしまうからです。こちらのお宅も、高植えしたところに土を入れているならよいのですが、もともと植えてあった場所を高くして形をとったのは良いことではありません。幸いだったことは、深植えに強いツツジ類やライラックだったのでそのままでも大丈夫そうですが、太い木になるほど危険ですので憂慮ください。

 今回のお客様の相談ポイントは、家の中から見たときと、ウッドデッキに座ったときに素敵に見える樹木が植えたいということ。同時に目隠しにもしたいとこのことです。
家を建て直したり、ウッドデッキをつけたせいで日当たりが悪くなってしまった庭に苔が生え、滑りやすく除草するのが大変なので何とかしたい。
以上2点を改善していきます。

今回行うことは、
○お客様が選ばれた2本の樹木を、お客様の気に入る位置に植えこんで、その場に合う形に作っていく。
 その際、他の樹木も一部移動して体裁のいいようにする。
○家際にご自身で敷かれている、コンクリートの平板をもう一列追加して歩くスペースを作る。せっかく土盛りした
 スペースを生かすため、最初にいつくか置いてある石と同じような石を用いて全体に境界を作る。
 石と平板の少し残るスペースは、管理のいらないタマリュウを張って、苔が生えてこないようにする。
○ウッドデッキの前も体裁よくするため、全面に砂利を敷くことになりました。

 石や下草が部分的に植えられていました。お好きな物やいただいたものを植えこんだらこうなったそうです。
 今回のお客様は、60代後半の上品な奥様。まったくお歳を感じさせない精神的な若さで、一緒に庭造りを手伝っていただきました。

 先ずは先行して配達した樹木(ヤマボウシ、青ハダ)を植えこみます。この時点では自分も初めてお伺いするので、相談しながらベストな場所を決めます。
そして、他の庭木のチェックをします。

 結果、ユキヤナギやドウダンツツジを移植してスペースを作り、家の中やウッドデッキからの見た目で植え込み、支柱を立てて横にボリュームを出します。お隣の邪魔にならないことも気を使い、全ての樹木にはさみを入れます。
 次の準備の間、お客様には水入れをお願いしました。こういうことって覚えておくと自分ひとりでの作業でも役に立ちます。

 このお庭の場合、奥様以外この場所を通らないことと、足もとまでは見えにくいことから、下草などは奥さまがご自由に植え揃えていくことで、植栽は増やしません。なので仕上がりはちょっと寂しめです。

 こちらがお客様が気にされているリビング出窓そばのソファーからの眺め。全ての隣家の窓を隠すようににいい感じで枝が伸びています。左からヤマボウシ、青ハダ、ハナミズキ。

 ウッドデッキからの眺めも変わりました。今まで木が枯れて抜けていた空間や、ここから花が咲く木が見られたらという場所に樹木を配置しています。
 フェンスがこちらのお宅のものであることを利用して、かなりフェンスに枝を引っ張って、樹形を合わせます。来年新芽が伸びていけば、さらに形をとりなおすことができるでしょう。春が待ち遠しい気持ちになりますね。

次に石並べに移ります。

 家にあったものと同じ石を並べて欲しい、というのもお客様の希望でした。今まではレンガを直線に並べていただけでしたが、石の場合は曲線に並べることでより味のある庭が作れます。

 手前に30cm角の平板を一枚追加するので、適当に並べているように見えながら、毎回そのスペースをメジャーで測って確保しながら並べました。下草類も一度全て抜いて、いいバランスになるように植え直します。
一か所、石の底面がえぐれている石には、ふっき草を内部に植えて、はい出してくる躍動感を演出。

 石を並べ終えたところ。形より歩きやすさを重視しているので、特に手前などは引っ込みぎみに並べています。
 ハナミズキは、土盛りすることで元気がなくなったようですので、元の植え高さまで土を削り、石の外になるように並べました。

 こちらはリビング隣の和室からの眺め。吐き出し窓なので、ここからだけは足もとまで見えるので、気を使いました。後ほどしだれモミジも形を作り直す予定です。

これからウッドデッキの周りの砂利を敷く準備です。

 手前に見えるモミジの周辺から、石を並べた箇所まで砂利を敷く計画です。
 砂利を敷く、というとただ買ってきてまけばよいと思われがちですが、そのために土を削り仕上がり高さを周囲と同じにし、砂利が周囲に飛び散らないようにしなければなりません。雨水マスなども砂利で埋めるわけにいきません。

 と言うわけで、まずは地面を削って砂利が収まるだけの深さを作ります。
 踏み固められた地面は固く、しんどい作業でしたが、これだけ固ければ砂利が減らないように転圧する必要はないので、返ってよかったのかも。

 お客様のお宅に、それまで花壇を形成するために用いられていたレンガがたくさん残っていたので、それを再利用してウッドデッキ下に砂利が入っていかないようにダムを作っておきます。
同時に、これで完全に隙間を埋めることができ、砂利がまんべんなく敷けるようになりました。

 これで下地作りは終了です。
仕上げに入る前に、お客様と近くの大型ホームセンターに砂利とコンクリの平板を買いに行きます。

 最近では、ホームセンターの方が種類、値段ともお手頃なものが増えましたね。なので、こちらは手間代をいただいて、お客様とこうして買い物に行くことがよくあります。一番安上がりだと思います。

 お客様と買いに行くと、こちらも勉強になります。最後はお客様自身の好みで選ぶわけですが、こういう洋風砂利(明確な規定はありません)というを選ぶとは思いませんでした。
小粒でピンク色とは。粒が大きい方がメンテナンスが楽ですが、小さい方が仕上がりのきれいさは上です。
レンガや、ウッドデッキがピンク系なので、砂利は同系でも黄色味の強いものを自分なら選んだと思います。
ここが女性と感性の違うところでもあるのでしょうね。仕上がりは後ほどわかります。
どちらにせよ、お客様も自分で選んだものですから、ご自身納得のお買いものとなります。
 コンクリの平板も、今敷いてあるものに近いベージュ色。モミジの周りを演出するための小さいレンガも買いました。これも一緒に選んだものです。予算と相談しながら、最上のものを選択しました。

 大体こんな感じというガイドラインを示しておいて、モミジの周りの縁どりはお客まさにお願いします。その間にコンクリの平板を並べてしまいます。
時間がなくなってきました。ここは一気に仕上げに持って行きます。

 隙間にタマリュウをまんべんなく植え付け、防草シートを敷いた上に砂利を敷き詰め完成です。
すいません、日が落ちて写真を撮る時間がなかったので、後日撮影した完成型を掲載いたします。

 モミジも手入れをし、すっきりした樹形に仕立て直しました。タマリュウは周囲にも植え、砂利の飛散を防止するようにします。

 ウッドデッキの中間にツツジがあります。
通り抜けるとき支えにしたりと木が揺さぶられる位置にあるので、根が地面に露出し始めています。
ここだけは土を盛り上げて、根を保護しました。モミジの下のように小さいレンガ買い足し、並べて境界を作ります。
このお客様なら、もう任せておいても平気でしょう。

 少し雑になってしまって申し訳なかったのですが、隙間にタマリュウも張りました。

 平板を追加するとき、物置まで歩けるように延長しました。これで足元も安心。

 ウッドデッキからの眺めも落ち着いたものになりました。もともとお孫さんたちが遊びに来たときのために作ったウッドデッキですから、これから成長していく中で、庭に下りて楽しむこともできるようになりますね。

 砂利面積は約5u。1uあたり10キロ入りで4袋使用予定で、20袋買いました。
補充したければいくらでも自分で買いに行けるのも、一緒に作業するメリットです。