お客様のお隣の方も、実は植木が好きで庭を作りたいと思っていたら、何も別々の切り離したお庭に考えなくてもいいのではないかと考えております。
折角でしたら、どちらもよく見えてくる庭にしたいですよね。
それが目的ではありませんが、そんな理想を込めてみました。

お隣さんと高め合う庭に
植栽・施工

 以前から、大変お世話になっていらっしゃるお客様がいらっしゃいます。
そのお客様のお隣の方は、早々に庭を砂利で敷きつめてしまいました。
お客様も、自分も、きっとこちらの方は植木嫌いなんだな、ってずっと思っていました。
ですから庭を作る際も、お隣に気を使って植木の枝がはみ出さないように植え込みました。
これでトラブルになったら面白くありませんものね。
 しかし、お客様がお隣さんと仲良くなってみると、実は植木が大好きだということがわかったのです。
善は急げ!いい庭になるように全力で取り組みます!

相嶋造園

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大きな分譲地になると、なぜかどこのお宅も同じ植え込みで、それが何棟も連なる光景になります。
もちろん、どの家も平等にしなければならないことや、植え込み予算が少ないため、同じ樹木を使ってコストを下げ、まとめて植栽することで利益を出していることもあります。
しかし、住む人が自分の街を愛し、住んでいる景観を愛するなら、全体ではそれぞれ変化がありつつ、しかしスタイルが一つにまとまっている区画があってもおもしろいと思います。
2軒、3軒と同じ並びのお客様の同時植栽なんて、皆でわいわい考えながらぜひやってみたい仕事です。

 お隣で庭を頼まれるときには、すでにこのように全面砂利が敷いてありました。お隣さんは、植木が好きじゃないみたい。これだけ見るとそう思いますよね?
ですので最初はお客様と気を使って、枝がはみ出さないように植え込んだりしました。
 どうやら、植木が嫌いは我々の勘違いでした。
実は、引っ越してきたけれど、こちらに植木屋の知り合いもいないし、どこに頼んでいいかわからなかったので、とりあえず砂利を全面に敷いてもらい、草が生えないようにしたとのこと。
 実際、こちらのお客様のように、どこに相談していいかわからず困っている方多いんじゃないですか?
出会えることに遅いなんてありません!大切なことは行動することです。

 右写真が、玄関前の植えるスペースです。左に見えているのが、うちで植栽したお客様のお宅。お隣の方が、段差があり下がっていますが、それほど問題ではありません。
 秋田ご出身の旦那さんが、すでに砂利をはぐって準備していてくれています。田舎で親しんでいたので、庭仕事好きとのこと。
今日一日助手を務めていただきながら、一緒に植栽を考えていきたいと思います。

 今回のポイントですが、お客様が一番気にしているのは、南側の日よけ。当初生垣にというお話もあったのですが、生垣で日よけするのは、高さが1階の屋根を越える大きさでないと部屋に入る日は遮れないことを考えると現実的ではありません。
日よけしたい窓に、大きな樹木をかぶるように植えることとし、好みを伺いました。

 我が家に一度来ていただき、こちらが候補としている樹木、お客様が気に入った樹木などお話させていただき、最終的に細かい部分はお任せで、予算だけお聞きして庭を作ることとしました。

先ずは、メインにする樹木から配置していきます。

 玄関前の一番のメインは、エゴの木にしました。
何といっても花つきの良さが自慢。ガレージに向かって横枝を張り出させて作っていくことで、お隣よりも低い場所でも、十分迫力を見せることができます。
 何せお隣は、’庭作りから3年目’でも掲載している、かなりいい樹木の入っているお客様のお庭。
そこの樹木とかぶらないで選ばなければおもしろくありません。

 庭の中央、居間の吐き出し窓の前に、家の中から眺める樹木として、姫シャラの1本立ちを植えます。
1本幹の、堂々たる樹木を見るのもいいものです。
夏に花が咲く少ない樹木とも言えます。

 南角の抑えのポイントとなる場所には、お隣と同じヤマボウシ。
ですが、趣向を変えて、ミルキーウェイという白花の品種ものを植えます。葉の感じも卵型で、普通のヤマボウシとちょっと違います。植え位置的にはちょうど反対の道路になるので、家のどちら側から見ても、ヤマボウシが見えるようにしました。

 ちょうど日よけをしたい窓の前に植える樹木の場所作りを、お客様がしてくださってします。
 選んだのは、お客様が気に入ったアラカシの株立ち。
なかなかおしゃれな株立ちの樹木をセレクトしました。
少々乾燥が心配ですが、目隠しの樹木としては常緑ですし、伸びがいいのでいい選択です。

さらに低木類を植え合わせしていきます。

 落葉樹の控えに、常緑樹のカルミア’ヤンキードゥブドゥー’を植えます。
これは、お隣のヤマボウシの控えに、カルミアの薄ピンクの花を使っているため、同じ並びで同時期に咲く同じ花、こちらはやや紫がかった濃いめの色で、エゴの白花との対比も楽しいと思いました。
 他に、ヒイラギナンテン、五色南天、コニファーなどフェンスの足元の目隠しにします。

 姫シャラの下にも遊び心から植えてみます。
最終的に砂利を敷き戻すのですが、ただ敷き戻すだけでは面白くありません。しかも、姫シャラの根元まで砂利で覆いたくありませんから、日蔭にも強いタマリュウを使い、円形に砂利止めを作ります。ここは植物の高低差をつけたいので、かなり小さい玉のツゲ、そして右側には石を少々。この効果は仕上げのときにわかります。

 実はこちらの南西側は少し高植えにしてあります。庭の地面に、高低差をつけることで、立体感を出したかったのです。
 ヤマボウシの順に、オガタマ’ポートワイン’、ドウダンツツジ2本、日よけのアラカシと並びます。

それでは最後に仕上げに移りましょう。

 さすがにお隣側の数年経って味が出てきた植栽からはまだ見劣りしますね。
 途中、お客様と近くのホームセンターに、役立ちそうな下草などを買いに行きます。

 レンガ風のブロックを並べて縁取りをします。その中は上げ目にし、奥のヒイラギナンテンは、同じように植えても面白くないので、離島のように低い位置で砂利の中に。
 ブロックの内側の空いたスペースには、数色のポーチュラカを植えてみました。成長して緑の絨毯ができるときれいです。砂利の面積が多い場所ですから。

 姫シャラの下も、砂利を敷きのばすとこんな感じに。浮島のように石が砂利の中にあったり、なかったり。そこにアメリカンブルーや、草ものを塀際に植えます。

 南西の道路ぎわは、家から持ってきた石で縁取ります。入口から見て一番奥目の位置になるので、ある程度迫力あるものを置かないと、貧弱に見えてしまいます。これによって高植えした土抱えにもなります。

 真っ白なヤマボウシ’ミルキーウェイ’の花べんに負けないように、本霧島ツツジの赤、オガタマ’ポートワイン’のうす紫が、さらに引き立てます。
 また、白花のアセビや、一番奥の角に植えたツワブキも季節になれば美しい彩りを添えるでしょう。

 ドウダンツツジまでを石を巻きます。ここは通路でもありますから、必要以上に石を置いて、歩きづらくしても仕方ないですからね。

 お隣のお客様から、フェンス沿いに長くなってカットした芝桜をいただいたので、同じようにこちらもフェンス越しに植え込みました。他にフクシア、ギボウシなど。

 お客様も、まさか一日でここまでできてしまうとは思わなかったらしく、大変喜んでいただけました。もっと早くわかっていれば、砂利を敷く前にやれましたね〜ってお話していましたが、今からでも遅くなかったですね。

これで完成!なのですが…

 今までお隣に遠慮して、植木が張り出さないように植えていたお客様も、2軒で協力して庭を作っていけることがわかったため、少し模様替えの相談をいただきました。
 この玄関前の樹木の剪定とともに、お隣との境にある南天を小さくして、鉢植えでおいてあるカイドウを植え込みたいとのこと。
 お隣のエゴも、こちらの南天も白花ですし、カイドウのピンク色の花はかわいいですからお隣さんにもきっと喜ばれるでしょう。横枝を張り出させることもできますね。
 自分の家だけではなく、お隣の方ともそうやって楽しめる庭作り、うらやましいですね。

 まずはボサボサのヤマボウシを整理します。支柱も立てなおし、前回より少し背を伸ばします。お客様の管理がいい分、伸びもいいです。
 隣のユキヤナギを切り、南天も今の半分以下まで間引き、もう1本植えられるスペースを作っていきます。

 なかなか素敵な位置にはまりましたね。
 家の角にちょっと高めの樹木が入ったおかげで、バランスもよくなりました。
お隣のエゴの株立とも違う雰囲気もいいです。(見づらい写真ですいません)

 南天の右隅にあったビョウヤナギは、思い切って反対面の角に。こちらもお隣に張り出させて、お互いが楽しめるようにとしました。
 ブロックから垂れ下がる芝桜が、今回のお客様のお宅でも早く見られるといいですね。
 自分の家だけではなく、お隣さんの庭の成長も楽しめるんて素敵だと思いません?