歴史的にも価値のある石碑類の展示を会社の正門わきでしてあります。
そこをさらに植栽によって際立たせます。
単に庭を作るだけでなく、こういうピンポイントの施工も大切な緑化だと考えます。

石碑を彩る
植栽・施工

 ここは野田市内にある会社の正門わき。
そこに、関宿城に使われていた石碑など、歴史的価値ある遺構を展示してあります。
 これは、会社の新装と共に、この目立つ場所に改めて設置しなおされたものです。 
その展示物を、さらに見栄えのよいものにして欲しいというのが、今回のご依頼です。

最近植物を植える機会が減った気がします。
それは後々管理が面倒になるからという意味もあります。
しかし、まったく植えずに済ませるよりも、小さくてもいいから緑を取り入れることで、無機質なイメージがにわかに鮮やかに色づくことも確かです。
作業中、社員や掃除のおばさん、多くの方に声をかけられました。
実は皆さん、植物が好きなんです。これって嫌いな人、少ないですよね?
ですから、少しでもチャンスがあれば、緑ある空間を演出していきたいと思います。

相嶋造園

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 こちらが付属の看板の内容です。
なるほど、歴史ある関宿ならではの石碑と言えます。

 早速作業に移りましょう。
この御依頼には、特に注文や方針がなく、ありがたいことに全てを任せていただいている(強いて言えば、予算は10万円ということでしょうか)ので、こちらの感性で作り上げました。

 最初の作業は、石碑囲い内の整地です。
もちろん、石碑を据え付ける際、建設屋さんがちゃんと均してくれてありますが、ここに砂利を敷いたり、植栽したりする場合、今の地盤を仕上がり高さになるように掘り下げないと、石碑が埋まってしまいます。
 荷台にあふれるほど土が出ました。

 掘り下げ終了。
 中央の方位版など完全に埋まっておりましたので、これで5cm近く高くすることができました。
 自分の植え込みは、設計図を描くことより、その場に合う雰囲気の材料を探し、構成してくやり方です。
 それは行き当たりばったりという意味ではありません。必ず施工前には最終的な理想形を考えています。
 こういう整地はそういう最終形を考えていないと、後でしていなくて大変になります。多かれ少なかれ、計画性は持って行いましょう。

 植える準備が出来たところで、大きなポイントになる樹木から順に配置していきます。
使えそうな樹木を数種類ピックアップしてきました。
 後はその場で雰囲気に合わせて、配置していきます。
全部使うつもりで持ってくるわけではありません。逆に余るくらいに持って来て、もし足りなければ合わせるように考えています。今回もそのつもりで持って来て、結局全て使いました。
 このやり方は、見積もりの変動を招きます。いくらでやってくれ、という仕事の場合、例えるなら料理屋さんのコースと同じで、単品値段以上の内容になります。ここで全て使っても、請求は変えません。

 今回メインに選んだのは、常緑ヤマボウシ・月光の株立ち。
枝先の丸みをおびた部分は全て花芽。白花で、この花もちのよさが月光の特徴です。
 ここは会社の正門わきでもあります。会社の運気を高める意味でも、葉の落ちない常緑で、花があり、新しいことに敏感である意味を考え、こちらを選択しました。

 月光の下には、こちらも縁起を担いで魔除け代わりにヒイラギナンテンを。
 そして、紅葉のきれいなドウダンツツジの玉ものを配置。

 囲い内にも植物を配置します。
よくこういう場所は植木を植えないで、砂利を敷くだけという場合も多いですが、それでは寂しい気がします。
 やはり緑があり、適度に花が咲く、自然さとやわらかさを演出することも、石碑を引き立たせるテクニックだと思うからです。

 基礎石の左、外灯の支柱を隠すように、早春に桃色の花を咲かせる吉野ツツジ、案内板の右下に、イメージを変えて葉が大きく丸いツワブキを。冬に黄色い花が咲くのもいいですね。また、看板のエッジの鋭さを弱める効果も期待しています。

 石碑の左右には、左に山アジサイ、右にサルスベリ。常緑ヤマボウシの株立ちとは対照的に、落葉樹の1本たちを反対の位置に植えました。それに合わせるのはキャラの玉もの。高級感を出します。
 ここで使う樹木はそれぞれが別の時期に花を咲かせ、樹木によっては紅葉します。四季折々の顔がこの植栽にはあふれています。
大した大きさではありませんが、見るたびに変化のあるスペースにできれば、目に留まる頻度も変わるはずです。

 草防止と、緑を広くとるために、タマリュウを植えました。
細かくほぐして、小まめに植えこみます。
 同時に支柱を立てたり、樹形を整えたり、下草を植えて調子をみたり仕上げに入ります。
 ドウダンツツジの前には、タマリュウを正門に向けてカーブさせ、なるべく直線以外の線を出します。
 タマリュウのカーブにそって、アスファルトを施工してもらう予定です。

 仕上げに砂利を敷きます。使うのは国産高級石材・白川砂利。産地は京都です!通常の小分けの袋入りでは高いので、500キロを袋買い。施工場所がすぐ下ろせる場所なら、こういう買い方が一番お安いです。
 いつものように、防草シートを敷きながら、砂利を敷いていきます。

 砂利は、できるだけ厚く敷きましょう。ここでは5cm以上を目安にタマリュウより高くなるように敷きつめています。タマリュウは生長します。必ず覆いかぶさるし、砂利の中に浸食していきます。それに対抗するために、厚く、広めに砂利を敷くことが後で丁度良くなる秘訣です。

 樹木に水をかけながら、砂利も洗います。
すると、茶色だった砂利がにわかに白く輝き出します。この色合いが白川の本来の色。格の違いを感じます。

 これでホントに完成です!
担当の方も、「こんなに植栽してもらえるとは!」びっくりしながら喜んでいただけました。頼んだのが建設屋さんではなく、造園屋だったことが幸いしたと言えましょう。人件費を浮かせるため、2日間での準備、施工の一人作業は忙しかったですが。

 3つの遺構が、この地に残ります。