一度レンガを取って、植物を少なくしただけで、すっきりしてきました。埋まっていた石なども多数発掘です。

 お客様と、大型ホームセンターに行き、好みの材料や、どんな形に仕上げるか候補を探ります。選ばれたのが、こちらのコンクリート製の枕木と、砂岩であるタフステインストーン。自分の使う定番でもあります。

植栽・施工

 石の隙間から植物が見え隠れするのがまたいいんです。砂利が流れ出ないようにする意味と、緑の浸食が、荒廃感を高める狙いです。

 今回の作業では、手前の花壇に、木を1本植えることにして、一緒に探しました。選ばれたのは、人気が高く、高級樹木であるハイノキ。常緑樹ですが、葉がパラパラで株立ちなので大変品が良い木です。白い壁にベストマッチ!

 いよいよ枕木を並べていきます。枕木の厚みを考慮して、庭を削って整地します。高さと同時に排水こう配も考えます。

実は英国で認められたガラス作家さんのお宅です。
他にも色々な分野で、素晴らしい作品や功績を残されております。
この庭の改装も、そんなお客様の吟線に触れるものになればよいと思います。
このお庭で、作品の写真撮影も行うとお聞きしています。
ですから、それも想定したお庭を考えてきました。
みかも石?と思われる、角ばった石も、他のお庭ではなかなか見ない逸品です。
素材が良いということは、それだけでいい庭になります。
こちらは、その邪魔をしない味付けを考え、調和する庭にしていくことです。
よい材料は、こちらも目の保養になります。

 タフステインストーンは、不規則に積んであるだけです。その質感やランダム性が荒廃につながるイメージとしています。お客様のお好きなクリスマスローズを散りばめ、よりイメージを膨らませました。

 入り口から入ってくると見える風景です。手前の大きな石の周りはタマリュウを植えて緑の草原にします。内側の枕木や砂利の材質の対比を狙ってもいます。

最後に、お客様と選んだ伊勢砂利を敷き詰めて完成です!

 半端なスペースには、切った枕木を入れていきます。実は中に鉄筋が入って補強してあったので、切るときは2種類のカッターを必要としました。さらに植物も植えこんでいきます。これは最後に敷く砂利の止め代わりにも使っています。

 やり方は色々ありますが、人しか歩かないなら、あまり仰々しく下地を作らなくても何とかなります。
 平らに整地した地面全体に防草シートを敷きます。がたつきよりも、雑草の生えてくる方がその後の管理は面倒だと考えています。その上に砂を撒きながら、がたつき調整し枕木を固定していきます。
 今回使うものは、いくつかの型を使って成形されていて、形が一様ではありません。見た目もかなりリアルですが、どうしても枕木の間の隙間はできます。これも自然な味として利用していきます。

 ニラ花を抜きながら、手前にあった柏葉アジサイやクチナシも移植して奥に持っていきます。このエリアに大きな植物は置かないことにして、庭の奥行きを、ぐんっと広げます。
 土質はすごくいいですが、そのせいもあって色々な植物が生えています。これからどんなのが出て来るか、それは今ではわかりません。なので、なるべく根っこをとるようにします。
 作業していると、石も顔を出してきます。小さいものは避けましたが、大きくて、さらにそこの場所でも悪くないと思えるものは、持ち上げて高さを少し出して使っています。

 こちらのお客様宅は、もともと茶庭として作られていたそうです。
それを買われたときに、手前側だけレンガを敷くなど改修されたそうです。
当時はお客様のご両親が改修されたので任せていたのですが、代替わりして手直ししたいとなったのです。
 「しっくりこないんです。」といいながら、お客様もではどうしたらいいのかわからないというのが本音。
それでご相談を受けました。

 余っていた石をふんだんに使い、枕木とのつなぎや、縁取りに利用しました。伊勢砂利もお客様の希望で奥まで敷き込みます。さすがナイス判断!

相嶋造園

 お客様の感じるこのお庭の物足りなさは、思うに最初からある形と、後から使いやすくしようとした部分のアンバランスさでしょう。実は奥の大きな石組みは、実際水が流せるようになっていて、池になってもいます。
現在池は穴になっていて、本当はこの穴を埋めることをしたかったのですが、それは今後次第となりました。
 となると、考えたいのはレンガ。奥にある石の質感に、完全に負けています。レンガはいい材料ですが、小さいため施工が面倒な上に、数を使うと金額もバカにならず、細かい目地は草が生え出てくるのが止められなくなります。
ボサボサと手前を覆い隠す、背の高さが出てしまう草ものも、自然と言うより雑然とさせてしまっています。やり変えるなら、その部分を良くすることでと方向性が決まりました。

素材の良さが活きる庭

「今の庭がいまいち気に入らないのだけど、どうしたらいいでしょう?」
というご相談をいただいたお客様。
買ったときからあった庭に手を加えております。
問題は、そのバランスではないでしょうか?
もとから使われていたのがいい素材なら、庭全体もその素材に負けない、もしくはそれが活きてくる庭にしなければいけないと思います。
今回は、引き立てる庭づくりをしてみました。

 こちらは室内からガラス窓を通して撮影。敷き詰めたタマリュウがいっぱいになると、緑が爆発です!たまにコクリュウが混ざっているのがポイント。

円形のレンガは、よく作ってあるのでそのまま利用です。這い性のコニファーを植えこんで、沸き立つ緑を表現。庭に勢いを持たせます。他にも多数細かい植物を使いました。

 奥の石も豪華さが増しました。が、手前の存在感だって負けなくなりました。今まで埋もれていた夏みかんの木も、素敵にメイン樹木になっちゃいました。庭が一体になった感じがします。

 セメントを使用ない分、最後の仕上げに使うのは、岩瀬砂。御影石の細かく砕かれた真砂土がその正体。水を含むと固く締まっていくのが特徴です。またアルカリ成分が、雑草予防になります。これを隙間に指などで押し込んでいきます。横だけでなく、下部にも詰めることで歪みが抑えられます。その仕上げと同時に、タフステインストーンを城郭のように積んでみました。お客様と一緒にどんな場所に置くとよいか考えました。

 使いたい材料は決まりました。そして、お客様の庭に対するイメージも決まりました。ずばり’廃墟’です。
花が咲き乱れる庭よりも、そして、きっちり作りこまれた庭よりも、寂寥感も残る緑が中心の落ち着いた庭を目指すこととなりました。このとき、完成イメージが自分の頭に浮かびました。
 そこまで決まれば、作業開始。
お客様宅へ材料を運びながら、他に必要な草花などの小道具はこちらで考えます。
はっきり言って作業は現場合わせです。
お客様と一緒に作業しながら、大事なポイントはよく話し合い施工していきます。

 相談当時の庭の様子。草花が伸びて、花を咲かせています。自然な感じで素敵ですが、手前からこの状態だと奥が見えないし、庭を狭く感じさせますね。園路風にレンガを入れたり、柵をつけたり、前の業者さんがやってくれたようです。

 外したレンガや石は、邪魔にならないところにまとめます。
かなりの量の石やレンガを使っていました。これらも再利用して、どこかに使えるかもしれません。少なくとも石は、あちこちに使うことになるので、重宝ですね。
 材料は、いらないと邪魔に感じますが、あるのに最初から処分すると、後でまた買うなんてことも出てきます。使い方次第で活用も様々。ですから自分もこういうものは、とりあえず処分するならいただいて帰ります。最終的に、こちらでも使っています。

 自分の予定としてはレンガの前までだったのですが、トクサやニラ花なども抜いて欲しい言われ、石組みの前までやり変えていくことになりました。
 確かに見た目はきれいに見えませんからわかります。雑草避けにいいとは思いますが、これのせいで雑然としているのも事実です。残すものはよけておき、樹木も移植します。
 ただし、そうなるとこちらの予定も変わってきます。施工面積が増えてきそうです。

 冬になって手前にあった菊や半夏生など宿根草は枯れました。それはそれで今度は物寂しい庭です。ちなみに、手前のレンガなどが後から施工したもの。作業自体は自分より丁寧に行ってあります。