自分より経験高い名匠、庭裕の菊田さんとの共同庭造りが実現しました。
今までなかなか実現しなかったのですが、ありがたくもお声をかけていただき、思わぬ大工事を手伝わせていただきました。
あまりにもスケールの大きな現場なだけに、作業も都合上数回に分けて行っいきます。
どのくらいかかるかは予測できませんが、施工が進むごとに掲載していく予定です。
お楽しみに!

Special collaboration with 庭裕
第一章 古き良き材料を操る
植栽・施工

 「ちょっと見てほしい現場があるんですが?一人では手に負えないんで。」
そう菊田さんより相談がきたのは、実際の施工に入る8か月前。ちょうど庭師にとって忙しさのピークにあたる7月のことです。さすがに忙しいのは彼も同じですから、今すぐという無茶は言わないだろう、という判断から仕事が終わった後、現場にお邪魔しました。
 行ってびっくりです!これは確かに一人でどうこうできるお庭ではないですね。
まずはその辺のいきさつからお話しなければいけないでしょう。

ようやく庭の基礎部ができました。
今回は土木工事が基本でしたから、あまり我々の出番はありませんでした。
しかし、お客様の方でお願いしてくれた建設屋さんが良心的で、気風のいい社長さんのおかげで、かなりお安くしていただき、なんとか予算内で収めることができてほっとしています。
大変お世話様でした。

ガラスの件ですが、お客様は「わざとじゃないし、不可抗力だから。しかもこんなに安くやってもらえて、いい仕事をしてくれたんだから、こちらで持つ。」
言ってくださいました。
しかし、これは現場にいた全員の過失です。それで納得しては恥ずかしくて商売していけません!
と、建設屋さんと談判したところ、妥協する形でお客様を含めた皆で割り勘としてもらいました。
そう言ってくださるお客様でこちらも幸せです。

これからこのお庭がどういう形になるのかは、まだ誰にもわかりません。
次回の予算でどこまで仕上げるか、いつ行うか、それも次に何をするかによります。
今は、皆でさらなるアイデアと打ち合わせを重ねて、それまでの考え以上のものを作れていけたら最高です。
一度に仕上げない利点は、まだまだ昇華していける点です。
次回作業が終わったとき、また皆さまにご報告します。
続きをお楽しみに!!

相嶋造園

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 庭にある、大小100個近い石類は、今の御主人の祖父にあたる方が集めたものだそうです。
折角これだけあるものなので、なんとか利用しながら庭を作りかえられないか?
そう相談されたのが、元々お客様とお付き合いのあった庭裕さん。さすがに彼も、このレベルの石を一人で動かすのは持て余したようで、自分に相談をいただいたのです。
 もちろん弟子もいるし、身内でも仕事やっているのですから、わざわざ自分に頼まなくても何とかできたはずですのにうれしい限りです。内容が分かる前から、「手伝います!」の即答です。そう言いながら、実はこれだけ大きな石だらけの現場は自分も初めてです。しかし、そこに不安はありませんでした。それ以上に、こんなすごい材料を相手に庭造りをできる喜びの方が勝っておりました。忙しさも忘れて、その時は早く取りかかりたいと興奮状態でした。
 実際の作業は年明けになります。家自体が年内中の完成ですから、我々は引っ越しや納屋の取り壊しなども含めてひと段落してからの登場となります。それまでは、段取りよく施工したいので、こうしておいて欲しいというこちらの要望をお伝えして、次の御相談が来るまで興奮したまま待っておりました。
この時点では、お客様の口ぶりから庭裕さんと二人、芝庭メインの洋風庭園がお客様の好みと勘違いしておりました。

 いよいよ打ち合わせに呼ばれる日がきました。立派な住まいに負けない、立派な石が庭の数か所に集められていました。
 あらかじめ石の集める場所だけ指示をお願いしておきました。

 メインの居間からの眺め。カシの大木が目の前にそそり立ちます。

 改めて全体像を見ると、大きいものでは最長3m強のものもあります。群馬を中心に集めたとのことでしたが、あの時代にこれだけの石を買えたということの意味は、非常にすごいものがありますね。
 御影石の敷き石(通常サイズ90cm×45cm)なども最近見ない厚みがあります。ホームセンターものの倍以上です。
今は機械加工なので、できるだけ薄く、均一に形を整えてありますが、手で彫り出したのでしょう、形も不揃いで長さの誤差が5cm近くあります。底になる面は平らに加工されておらず、かなりデコボコしていて敷くときに平行に敷くのが大変です。何より重くて二人でも持てないものもあります。見た目だけでは庭師泣かせの材料。
 しかし、アンティークと呼んでいい古き良き質感と石工の魂を感じる材料に、身が引き締まります。

 これは上記とは別の置き場にある石材。こちらにも大きな庭石や、機械で持ち上げないと動かない飛び石が置いてあります。全て合わせると100個は軽く越えるのはないでしょうか?正直、どれだけ使いきれるかは施工してみないとわかりません。

 お客様と、具体的なイメージ作りに入ります。
お客様の方で、ウッドデッキや板塀など取り入れたいことや、こうしたいという具体的な要望をいただきました。まずはそれを優先に庭のデザインを考えていきます。こういう打ち合わせになったら自分のものです!夜、落ち着いてからワインを飲みながら、仕事とは関係ない話を交えて、お客様の好みに迫ります。ワイン好きなお客様で助かりました。打ち合わせと称して、結構通いました。しかし、そのおかげ(?)でわかったイメージがありました。
 お客様の思い入れのある、軽井沢にある’星のや’という旅館の雰囲気を自分の庭に取り入れたいとのこと。
写真を見せてもらうと確かにいい雰囲気。実際一目ぼれした庭裕さんは、即泊まりにまで行きました。
どうやら洋風と考えていたのは間違いで、自然な和風デザインの方がむしろ好みであることがわかりました。
 ここに、お客様の要望も組み入れながら、今後の庭造りの方針が固まりました。

 予算配分も含め、焦らず段取りよく作業をするために、今回の第1期工事として、
主庭を含む、周囲3方向の土盛りする。家の地盤と同じ高さまで全体をあげる。主庭にはさらに起伏をつける。
大型のクレーン、重機を使わなければ動かせないで石を据え付ける。これだけの素晴らしい素材の石なので、できるだけ多くの石を使うことにする。ただし石だらけにしたくないので、できるだけ低く据え付けて、無理にすべての石を使う必要はなし。
その先の作業は、予算を見ながら敷き石を敷くことや灯篭を組むことにしていく。

ということになりました。
 新規にデザインするお庭と違って、あるものを利用する、しかも今回のようにどういう向きで、どこに置くことができるかわからない石などの材料が多い場合、その場合わせで置いていくしかありません。ですから、余計に事前の信頼関係とお互いのイメージの共有が大切になってきます。

 大型機械は使用料が高いので、来てもらう前に細々した作業を、庭裕さんと二人で行います。
 後回しにするエリアに、主庭から今回使わない石を運び並べていきます。

 簡単に運べるものから、トラックのクレーンで動かすものまで、一日かけて運びます。次を考え、できるだけ分別しておきました。それでも置ききれないで混ざってしまいましたが。

 笹だらけになっている主庭を、できるだけきれいにその根を掘り起こします。
かなり地味な作業ですが、これをしておかないと、数年後には芝も植栽も笹にのまれてしまいます。少しでもそうならないように土盛り前に取り除きます。

 大型クレーンを扱いやすくするために家側のカシの枝を落とします。

 準備ができたところで、次の日から大型機械たちが入場です。
 鉄板を敷きながら、動かす順番などを話し合い、大型クレーンの設置場所を検討します。

 建設屋さんからも助っ人が数人来てくれました。土を運びながら、間に手伝ってもらえたので大変助かりました。
やっぱり現場慣れしているベテランは、石などでもうまく扱ってくれますし、また休まないんです。

 メインになる大石から決めていきます。270cmの横幅のある巨石。半分は埋めるにしても、自身の重さで傾いてしまうものですから、低いところや沈みそうなところには石を差し入れて抑え込みます。

 今回の石の中で一番重たい石、7tもありました。
25tのクレーン車でも後ろのアウトリガが持ち上がってしまうほど。
 一回で設置場所まで持っていけず、数回に分けて移動しました。やはり侮れません。

 こちらは、和室の前に沓脱ぎ石設置中の自分です。
今回は施工中の写真をお客様が撮ってくださっているので、たまに自分も登場しています。おかげで写真もいつもより画質きれいでいいアングルが多いです。
 こちらの沓脱ぎ石も、もうちょっと低く設置したかったのですが、この下に水道管が出てきたため、犬走りと平行に設置するのが精一杯でした。

 沓脱ぎ石などを設置している間に、見せ場の一つ、カシの木の周りの石組を作る庭裕さん。
これから土盛りをするのですが、カシの木を埋めるわけにはいきません。根詰まりして木が枯れてしまうからです。
カシの木を埋めないために、その周りに石を組んで、さらにはその石組みを居間からの景観の一つにしてしまおうと二人で考えました。さすが庭裕さん、いい仕事してますね!

 ここまでいい仕事してきたのに、油断としかいいようのないミスをしました。3mを越える一番大きな石を動かす際、木の下から斜めに石を引っ張りだそうとクレーンで持ち上げたところ、ワイヤーの金具部分が石の角とこすれ石をはがし、周囲に飛散させてしまいました。
 その衝撃で窓ガラスを割ってしまう失態。自分の指示が的確でなかったせいです。お客様には申し開きがありませんでした。

 ガラスを割ったショックは隠しきれませんが、仕事は終わらせなければいけません。
 クレーンと油圧ショベルの同時使用で、大きな石を埋めていきます。石の存在を誇示しない置き方をしていますが、これだけの石がまったく目立たない置き方もしたくありません。

 夕方までに、大型クレーンを使う作業は終了しました。
ここからは、平行して行っていた土盛り作業を本格的に行っていきます。
家の基礎が高くなった分、庭全体に最低でも30cm以上入れなければなりません。

 南西側の狭いエリアに土を入れているところ。
ただ土を入れるだけではなく、後々沈んでいくのが少なくなるように、踏み固めながら隅まできちんと入れます。

 人の背丈を越える大きさの石だったはずなのに、土盛りをすると1mの高さほどにしか見えなくなりました。
それでも大きな石ですが、これほどまでの大きさだったとは知らないとわからないでしょうね。

 こちらは北西側のお庭。この場所用に、3個の大石を別に残してもらったのですが、予定と違い、動かすことが困難になったためこのまま使用することにしました。
 3個横並びという状態はカッコのいいものではありませんが、カッコをつけてつかないものはありません。先ずはしっかり足元を土盛りして固めることからはじめます。今は石の下に隙間が多いせいで、石が浮足立っているように見えています。
 

 ここは重機が入らない場所なのですが、ぎりぎり軽トラックと、我が家の小型ショベルは入れることができましたので、土をどんどん運んで整地をしていきます。

 最後に、洗濯物を干すための飛び石を並べてこちらは終了。
土盛りで隙間をなくしたため、石の浮いた部分はなくなりました。今後、植栽によってさらに変化をつけていきます。
最終的に洗濯台もしっかり施工しなおす予定です。

 南の角の部分は、築山風に高くしてあります。また周囲にはさらに埋めた石も配置。

 あまり形ばかりにこだわらず、自然な不規則感を大切に配置した石。奥行きを感じる見え方は考慮しました(やっぱり計算しちゃいます。だめだな〜。)。

 庭師、遠景。庭裕さんかっこい〜!
やり方の違う二人が、一つの作品を作り上げていくのは容易なことではありません。しかし、お互い意見をぶつけ合う中でいいものを作り上げたいですね。
自分たちの一時代を代表する庭園にいたしましょう!
いい仕事をありがとうございます。

 家の建て替えと同時に、庭も作りなおすというお客様です。それにしても大きい石です!半分草に埋もれていますが、2〜3mクラスの石がごろごろ。土の中にどのくらいもぐっているのか?灯篭も背丈以上ですし、これを動かし、施工しなおすのはなかなかの大工事ですね。

 改めて施工前。室外機の高さから見ても、土地が低いのがわかります。

 それを頑張って土盛りした結果、下記の写真のように落ち着きました。
 カシの木があまりに大きく枝を張っているので、石の吊りこめる範囲が限られてしまったのは少し残念です。

いよいよ施工に入ります。予算上日数も制限されます。何より無事に作業を終わらせたいと願っておりました。