古くなった植木鉢から、新しい植木鉢への樹木の植え替え作業をします。
ただし、場所は屋上。この場所の片付けも一緒に頼まれます。

植木鉢樹木の植え替え 〜屋上にて〜
植栽・施工

 根づまりしてしまった植木鉢や、古くなってぼろぼろになった植木鉢を新しいものに替えようとすることは、普通にある作業ですね。
今回は、果樹ものの植木鉢を植え替えたいと思います。
 ただし、単なる植え替えではありません。現場がマンションの屋上なのです。
いらない植木や、植木鉢を処分することも作業の中に含まれています。片づけをする中で、植木鉢もいいものに替えていく作業になりました。

植木鉢を替える作業以上に、ベランダの片づけが主になってしまった現場でしたが、最終的にきれいに収めることができました。
植木鉢も、一定の統一感がある方が引き立ちます。
植え替えるというと、改めて考えると意外とどうやるのかわからなくなりがちです。
樹木の場合は、それほど土選びを気にせずとも何とかなります。
培養土が使いやすいと思いますが、後で肥料を追加すると考えれば、赤土だって大丈夫です。
また、ポイントの一つとして、最初にその鉢植えに使われていた土質に合わせることもいいでしょう。
特にランなど水ゴケを使用していれば、それに準じるべきです。
失敗を恐れず、チャレンジしてみてください。

忘れていましたが、最後に階段下に片付けたニオイバンマツリの鉢をベランダに戻して、ホントに終了です。
今回は、ベランダ緑化の難しさと、マンション作業の困難さを実感する作業になってしまいました。
お手伝いしてくださった家の方にはお礼のしようもありません。
そして、目算を誤って1日で済まなく、2日もたっぷりかけてしまったことを深くお詫びします。
安い、と喜んでくださった見積もりも、結局追加でいただくことになったのは、まったくもって自分の不徳の致すところです。反省。

相嶋造園

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ところ狭しと並べられた植木鉢。大きさも形もまちまちで30個はあります。

 野菜も含め、ミカン、柿、梅、リンゴなど様々な果樹が育てられています。
マンション5階の屋上ということもあって、日当たり、風通しともに申し分ない環境でしょう。それに、お客様のマメさが加わって、リンゴも見事に生っています。
 しかし、木製樽を中心に老朽化は否めませんね。

 マンションの改修工事があるため植木が邪魔になってしまうそうで、これを機に手をかけられなくなってしまった植木を、必要なもの数点に絞って後は処分することになりました。

 まずは手前の作業しやすいところから始めていきます。必要な小鉢はどかし、大物は鉢から出していきます。
 と、簡単に鉢か取り出せるかと思いきや、これが大変な作業となりました。
植木鉢が直径60〜80cmあり、重すぎてひっくり返せません。木も10年以上経つものもあるし、よく根が張ってしまっていて、引っ張ったくらいではびくともしないのです。
 仕方がないので、地植えされている植木のように、スコップで掘ることにします。
左、作業中のキンモクセイは、一階マンション周りの植栽に植え込み直すことになっているので、剪定をして、根巻きをします。
 作業は我が家の3人プラス、家の方が手伝ってくれました。特にわざわざ手伝いに来てくれた、義理の息子さんには最後まで助けてもらいました。ありがとうございました。

 路上から見上げた屋上に、緑のはみ出している区域が、今回の片付け現場。いくらまめに手をかけているとはいえ、樹木の大きさをコントロールするのは正直素人では難しく、どうしても大きくなってしまいます。
風に揺れる緑は美しいので、このくらいのはみ出しがあっても屋上ならいいかなとも思っちゃいますが、現場を見てみるとそう言っている余裕のない散らかり様がやはり気になりました。
 
 問題は、屋上からの荷物の運び出しです。
エレベーターを使わざるえず、しかも狭い通路を移動するのですから、植え替え以上にこちらの運搬作業が難航しました。
前の道も狭く、5階の高さがあり、機械は一切使えないので全て手作業で運び出します。

 植木鉢の中の土をスコップでかき出し、手で持てる重さの樽に入れていきます。
このために改良した専用台車に樽を載せてエレベーターを降り、エントランス前の階段で下ろし、その先の一輪車に積んで置きに行きます。

 一つの植木鉢で、約10杯分の樽の土詰めができます。で、植木鉢が大小合わせて30はあるわけですから…。
この作業があまりにも時間がかかり、一日作業のつもりが2日作業になってしまい、お客様には大変ご迷惑をかけてしまいました。屋上作業の厳しさを痛感。

 野菜を植えているプランターも、土がないところで作るための、大型、深型が多く手間取ります。
 途中からは、植木鉢をひっくり返し、まけた土を掬いながらの作業。掬っても掬っても減らない…。
それをさらに一階回りの植栽の間に捨てて行きます。かなりの山を作ってしまいましたが、終わらせるのが必死で考える余裕なし。

 2m以上に成長している樹木もあり、幹も太くなっていて、きれいに根が張っています。が、それだけ抜きづらくなっていました。棒状まで切ってしまいましたが、根が無事なので何とかなるかもしれません。帰ってから仮植します。

 左の写真の樹木は、お客様の思い出のためにも、そのまま載せて帰って家で大きくします。大実のキンカン、リンゴ、柿の3本です。

 土がある程度片付いたら、最後は木製樽の分解です。3年から6年使っている樽は、どれも再利用するには難しいものしかないので、全て処分します。木は枝と一緒に処理できますが、タガなど金属は分別して持って帰って地元のリサイクル回収日に出します。
 こういう処理は、植木屋は特別にルートがあるように思われるかもしれませんが、実はあまり普通の家と変わりません。

 ここは大塚。一服しながら見上げる先には、サンシャインシティーがあります。マンションの屋上の眺めはなかなか。東京の空も明るくなりましたね。ちなみに、サンシャインの展望台からも、緑に覆われていたこの屋上よくわかったそうです。

 ようやく片付け終了。
 しかし、ここからが本番です。残した樹木はレモン、ミカン、スダチ、梅、大実ナツメの5本。
別にテッセンをそのまま残しました。

 土だけで40袋、約700リットル分を用意。余るつもりで持ってきたのに、ぎりぎりでした。
植木鉢は、最大直径80cmのテラコッタ調プラスティック鉢。ちょっと見、本物の焼き物かと思ってしまういい鉢と自負しています。容積155リットル。

 5つの鉢を並べます。材料を均等に使うため、5つ同時進行で土を配分します。
この鉢は、深さだけでも50cmを越えます。そういう鉢の場合、後々土がつぶれて鉢下の穴を目詰まりさせます。なるべくそれを避けるため、底の方には水はけのよい土や、大きな塊を使う方がよいでしょう。
 これは今後の水やりにも影響します。下は乾燥、表面は保湿状態を作ることが望ましいと思います。
 これから紹介する植え方は、別に毎回行っているものでも、こうしなければいけないというものでもありません。
今回用意できた材料から行った結果です。参考にするくらいのつもりでご覧ください。

 流出防止の網を敷き、一番底には砂利を入れました。ここでは前回の材料の残り、白河石を使用。特に一番底の部分は大切です。全体の重みでもつぶれない砂利や軽石、スチロールなどを用い、水はけの確保をしてください。

 その上に大粒の鹿沼土を敷きました。最初に砂利を敷いたので、少しでも軽くなるようにと思っただけです。粒が丈夫なのもいいところ。

 次に赤玉の中粒を敷きつめました。
この3層目から、徐々に植え込み体制に入ります。
大体、植木鉢の3分の1くらいの高さまで来ました。
(写真の見た目は3枚とも一緒ですね。)

 赤玉小粒、腐葉土を1対1の割合で混ぜます。
基本的に植え付けはこれで行います。
ベランダ管理で、まめに水やりをしてくださるお客様なので、根ぐされ防止に、水はけをよくする植え付けを心がけています。

 樹木の根に合わせて土を加減し、樹木を安定させます。まだ動かせる重さのうちに5つの鉢をベランダに配置。
どういう置き方にするかお客様と相談します。

 根が隠れるまで土を入れて、下から水が抜けるまでたっぷり湿らせ、土を安定させます。最後に表面に培養土を被せて、乾燥を遅らせます。
これによって、一番乾燥しにくい培養土の表面が乾いていれば、中も乾いている目安になるので、その時点で水やりをたっぷりしてもらえばよくなります。

 今までごちゃごちゃしていたのが思い出せないくらいすっきりしました。
柑橘系は、特に枝を横に張らせないと実が生りづらい樹木です。これだけ鉢も、空間もゆとりがあれば、徐々に大きくしながら毎年の実を楽しみにできるでしょう。

 最終的に作業が終わるころには、あたりは真っ暗になってしまいました。サンシャインの夜景がきれいに感じる時間です。
あれほど散乱していたのがうそのように側面側も片付きました。
奥の広くなった場所に配置された植木鉢と、その中心でくつろぐために置かれているテーブルセットが絵になります。
くれぐれも前の状態に戻らぬことを祈りつつ、帰路につきます。。