ご自分で庭を作りたいと思っても、どうしても慣れない作業にうまくいかないことがあります。
一度迷うと全てが良くない気がしてきて、どうしようもない気持ちになるかもしれません。
そんな時は、できる限りのアドバイスと、お手伝いをさせていただくことができます。
今回は庭の作り替えをご依頼いただきました。

ご自分ではどうしようもなくった時は
植栽・施工

 「以前、植木センター(野田市にあった植木の共販所)で、庭木選びを親切に教えてもらった者です。今回家を建て替えて庭を作り直したのですが、素人ではうまくできなくて、お力を貸してもらいたいと思い連絡しました。」
というお客様からのご依頼をいただきました。
早速現地に出向いて、直接お庭を見ながらお話させていただきました。

「居間で見ていたら、早速鳥がアオキの実を食べに来てましたよ!
作業を終え、ご報告に行くとお客様が興奮して話されました。
アオキをずいぶん気に入ってくれたようで、「あれはいい」としきりにおっしゃいます。
そんなに喜んでもらえると、こちらも無理を頼んでやらせてもらってよかったと一安心。
逆に言えば、自分が最初から納得してもらえるように説明できれば、こんなお互いやな思いしなくても、いいものができたのに。
ソヨゴも、ツツジも、手入れが楽なことがわかって大変喜んでおりました。
「ごめんなさいね。植えたものを見たら、ぜんぜん書いてあるような大きさに見えないから安心しました。植木のことも知らずに、高さばかり気になっていたの。」
というより、2,5mの高さ自体が大きいというものではないのですけど。
しかし、もし見にきていただいていても、植えていない状態では、掘り上げてあるので、根鉢が大きいせいで背も高く感じられ、やっぱり嫌がられたでしょう。
植えてみて、その場に合わせた仕立てをして初めて納得していただけることもあるでしょう。
「今回は、大変よろこんでいただけたので、見積もり以上の金額は受け取れません。今後のお付き合いのこともありますからね。」
請求時お話すると、
「それでは今後のお付き合いもありますので、少しですが切りよく上乗せしてお渡ししますね。」
なんか返ってこちらのほうがいただくことになっちゃいました。
ありがたいことです。


ご自分でどうしようもなくったとき、プロの話を聞いてみることは参考になりますよ。
自分の価値観だけではない、新しいインスピレーション感じるかもしれません。
迷ったらいつでも御相談ください。

相嶋造園

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 都合良く雨でしたので、その日のうちにお客様のお宅を拝見しに。
 庭の中央にマキの木がシンボルツリーに1本植えてあります。このスペースが主庭のようです。

 植え替えてから一度も手入れをしていないというマキがボサボサになっています。家の方が自分で庭の管理をしているとのこと。

 「家を大きくしてしまったせいで、庭が狭くなった」と寂しそうにお話しされていたましたが、それなりにいいスペースを確保していると思いますよ。
 マキ以外は小さく切られており、目立って大きい木はありません。

 玄関の前のアプローチにはコノデヒバが植えられています。全て家の方が選んで植えたそうです。
 アジサイや、デイジーなど本来もっと背が高くなっていないと花が咲かない樹木が、かなり小さく切り詰められています。また、ラベンダーや松葉菊など低いながら旺盛に伸びている草花も多いです。
 後は、カイドウ、ハクレン、柿が1mちょいの大きさで植えてあります。そのハクレンを買いに、植木センターに来られたのでした。

 こちらは、リビングの大きな窓から見たお隣側。大変接近してしまった上に、お隣の雨戸の正面に位置し、お互い気を使って窓を開けられない、なのでヒバを買ってきて植えたそうです。
 この70cmくらいのヒバでは、目隠しのためにという表現にまったくそぐわない列植だと思うのですが、お客様的には大きいと管理が大変だと思われているようです。

 「虫もつかなくて、手入れが楽で、四季を感じる樹木を植えたい」、とお客様は希望しておりました。
しかし、「植木のことはまったくわからなくて、好きなのですがどうしていいのかわからない。自分で植えてみたけどまったくカッコがつかないし、高齢のせいもあって管理が大変なので、大きい樹木はいらないので皆小さく切っている。とにかくお任せするので好きに作ってみてください。
 お隣の奥さんが、うちに来ている植木屋さん紹介する、と言ってくれたんだけど、植木センターであなたにお会いして、大変親切に説明してくれたから、先ずはあなたに相談しようと思って連絡したのですよ。」
これは責任重大なお話をいただいのですね!
その後、1時間以上お話させてもらいながら、こちらの構想もお伝えし、後日見積もりと図面をお送りしました。
 

仕事人としての責任とプライド
 このお庭は、何が問題でしょうか?
 先ず、虫がつかない樹木がいいといいながら、マキや柿の木を植えています。手入れを楽にしたいと言いながら、伸びのいいコノデヒバやハクレンを植え(しかも刈り込みは自分ではできないと言いつつ)、四季を感じたいと言いながら変化の少ないヒバです。アジサイなどブッシュ系の草木が多く、鬱陶しくなるので全て下から切ってしまっては花もつくわけがありませんし、なんのために植えたかもわかりません。
 このように単調に、しかも小さいものだけ植えてしまっては、家の方もおっしゃる通りカッコの良くない庭になっています。

 かと言って、全てをやり直す必要はないと思います。だって家の方だってわからないなりにここまで頑張って庭を作ったのですから、それを頭から壊すことはしたくありません。ですので、今回は主要ポイントを変更する中で、庭全体にアクセントをつけていきたいと思います。
 樹木はどれも伸びが遅めで、虫がつきにくく、刈り込みをしなくともどこから切っても大丈夫、というものを主題に探しました。

 送った図面に対してダメ出しのお電話が来たのはすぐでした。
それは選んだ樹木に対してではなく、図面に記した樹木の大きさに対して。
「 私にはここに書かれた名前の樹木はわかりません。でも、2,5mなんて大きな木を植えたら、家が見えなくなってしまいます。しかも切れません。
 この1,5mと書いてある樹木も大きくないですか?私はこんな大きな木は植えたくないです。前回お話したこちらの希望の赤い梅などは植えてもらえないのですか?」
丁寧ですが、毅然とした口調。とりあえず説明します。
「まず、今回選んだ樹木全て、お話した条件にあったもののつもりです。
 2,5mの高さ(ソヨゴとアオキをセレクト)は、通りからの目隠しや、お隣との目隠しに必要な最低限の高さですし、迷惑がかからないように落葉樹にはしていません。
もちろんボサボサした樹木でもありません。しかも2,5mなら手を伸ばせば切れる高さですが。
 1,5m(つつじ’春一番’とブルーベリー)が高すぎるとおっしゃると、今庭に植えてある、ハクレンや柿は育つ木なのに大きくできませんし、そうなると花も咲きませんよ。樹木の管理の大切な点は、そういう高さではなく、どれだけ切り易い樹木かではないですか?庭には高低差によるアクセントも大切な要素です。これにより立体感も出ますし、変化が生まれます。どの樹木なら大きくても平気か、それも考えて選びました。
 そういう意味において、梅は難しい選択です。虫はつきやすい、枝は横に張るので低い位置に枝を張らせると、庭を歩くことができなくなります。1,5mが高いのあれば、後は盆栽の方がよっぽどいいと思います。このお庭でしたら、梅は背丈以上にして、ぶつかる高さの枝は全てカット。上から枝を張らして大きめにするしか植えようがありません。ただし、マキと梅、必ずアブラムシがつくので頭上注意で。」
 こちらも樹木の特性や植え方などを納得してもらえるように説明しますが、お客様自身が樹木を知らない以上、イメージできる限界があります。

 

 この場はこれでわかってくださったように思えましたが、後日再びお電話で、やっぱり納得できない旨のお話がありました。
この仕事は、縁がなかったことになるかもしれない。一瞬そういう思いがよぎります。
「大体、ブルーベリーなんて食用にする実ものを家に植えるのは良くないのではないですか?」
いいのか、いけないのか、これは地方や家によって違うので難しい話でもあります。
 この日ものっけから微妙な空気。こちらもそうお客様に思わせてしまったのは至らぬ証拠。未熟さに申し訳なく思いながらも、デザインの変更は今の状態ではする気はありません。
 なぜ、こちらも譲らないのか、それはお客様が樹木を知らずに、ただ高さだけを気にされてお話しているからです。最初に全てを任せていただいた以上、こちらの責任は大きいものになります。ですから材料も吟味したつもりです。
それを、高さを不安に思うだけで変えてしまうことは、庭のイメージを固めて選んだ自分としては譲れないところです。
 納得いただけなければやめよう。でも、どんな樹木を選び、どうやって使うかをお話しないまま思われないので、お金にならなくてもお客様を迎えに行って、家まで来ていただいて現物を見てもらおう。
その決意で話をしようと思った矢先、事態が好転しました。
 突然、電話を代わられた息子さんが、
「こちらで任せると言ったのですから、悪いようにすることはありませんよね?ですから全てお任せしますから、予定通り進めてください。いろいろわがまま言って申し訳ありませんでした。」
 これにより、急きょ現状維持のまま作庭作業に入ることになったのです。
とは言え納得されたかはわからないまま、お客様のお宅に乗り込むのは不安はありました。
内容や質には自信はありましたが、最初から否定する目で見られたら、やっぱり良く思われませんから。

 今回選んだ樹木。背丈以上の樹木はたった2本。
後は小さいものを組み合わせ、石を用い調子を整えます。
どれも花が咲き、木によっては実が成り、管理が楽な樹木を選びました。
 こちらは、お庭の現状から高さを出しているので、こういうものが植えられないなら、作りなおしても効果は期待できません。
 ですから、別の樹木に換えることもできますが、大きさが問題である以上、変更の使用もないのです。

 先ずは手入れから。
マキも下枝は付け根から切るなど、大仕事です。

 もともとの作りが中途半端な重なり枝にしてあったせいで、すっきりさせたとはいえ仕上げるには数年かかりそうです。今後の手入れでよくしていくしかないのですが、とりあえずは反対側が見えるように切ることはできました。
 このマキを仕立てなおすことと、それによってできるスペースをいかに埋めていくかがポイントにしておりました。これによって低木を活かすことができます。

 今回大幅に作りかえるのは道路側の一番目立つ箇所です。一度捨てるものだけではなく、いるものも抜いて養生し剪定します。そして地面の草を取ります。
 一通り準備ができた後、予定ていた樹木を下ろします。

 左側角にソヨゴ(実成り)、右角にブルーベリー’ティフブルー’を植えます。今まで低い樹木か草花しかなかったので、変化がありませんでしたが、高い樹木が入ることで立体感が生まれます。石を巻くことで、地面自体も盛り上げました。

 ポイントとした樹木の周囲に、ツツジ’胡蝶の舞’やヒイラギナンテン、万両を植えこみ、草もので仕上げます。樹木自体を単体で植えるのではなく、組み合わせることで、それぞれを引き立てることができます。

 邪魔なガスの引き込み標識も、石の裏手に隠してわからなくなりました。
 開け気味にしてある地面には、新たにお花を植えていただけます。

 小実ながら、鈴なりになるティフブルーの実に、夏は表を歩く方も庭を見上げるに違いありません。
 マキが中央で大きいだけだった庭の左右に、株立ちや線の違う高さのある樹木が入ることで、外から見ても庭に安定感が出ました。
 ソヨゴも高さを詰めて、2mちょいにしています。小指の先ほどの細さで立っているだけなので切りたくないのですが、ここはお客様に気を使いました。

 最初ミニバラが植えてあった玄関前のブロックの切れ目にも、小さいながら屋久島アセビを植え、土抱えのブロックより高い常緑樹とすることで、留めを演出。その下には赤い柔らかい小石を置き、色のある姫スイセンを植えました。

 マキの下枝を切り落としたことで、庭の奥まで見通すことができるようになりました。家側は日当たりのよいところではないので、花は期待しない植物を植えます。裏庭から引き抜いてきたヒバを小さくして使用。それに合わせるのに持ってきた這い性のイトヒバ’フィリフィラ’を角の留めに用い、お客様の思い入れのある柿の木には小石で囲いをして、特別な意味合いを持たせました。砂利止めにはサツキ、玉竜を使用。

 コノデの横のスペースに植えあった草花は、邪魔なのでいらないということで全て抜き、そこにツツジ’春一番’とトキワマンサクを植え、ふっき草をグランドカバーとしました。

 1,5mの高さのおかげで、ようやく通りからも塀を飛び越えて見えるようになりました。同じツツジでも常緑ものとは違い、葉が生い茂らないので、心配するようなモコモコしたものには絶対なりません。口で説明してもわかってもらえませんでしたが、見て納得です。

 お隣の目隠しに、ヒバを抜いて植えたアオキ。2,5mの高さも、家の中から見るとちょうど好いサイズ。また、初めて見た葉の形と茂り具合に、お客様は大変満足されています。

 室内からみても、お隣の雨戸をうまく隠せる大きさになっています。このために山林に入り掘って来ましたので。
 アオキのよいところは、日陰に強く、邪魔ならどこから切っても大丈夫という点にあります。高さを抑えたままもう少しボサボサにさせてもいいですね。

 ここは居間からの唯一の眺めなのですから、少しおしゃれにしてあげようと足元を演出してみました。
 石を二つ重ねて置き、オモト、黒竜、玉竜、ふっき草を配してみました。坪庭風に空きスペースを利用です。日が全く当たらない場所なので、緑を楽しみます。

 最後に、頼まれたサンセベリアを3つの植木鉢に株分けしてあげて、今日の作業は終了です。
 根がかなり湿っていたことから、お客様がどれだけまめに管理されているかが伺えました。
かわいそうと思う気持ちはわかりますが、過保護はいけませんね。

 「木のことも知らないのに勝手なことばかり言って、お気を悪くされたごめんなさいね。」
着くなり飛んで出てきたお客様が謝罪。
「いえいえ、こちらこそ説明が下手で申し訳ありませんでした。」よかった和解成立です。