剪  定

 昨年は父に刈り込んでもらったヒバやモチ。今まで深く切っていないいないせいで伸び放題だったものを深く切ったので、いくつか枝枯れがあります。ヒバは必ずこういうの出てきます。まだ木同士が重なって鬱陶しいので、枝を少し減らします。

 スカスカになるまで刈らせていただきました。エンジンバリカンで刈った後、さらに手刈りで深く切り戻しております。見た感じかなりへっこみましたが、まだ塀と面一になるにはもう2年と言ったところでしょう。これでもつぼみが残っているのがサザンカのすごいところです。

 頭の左半分を剪定し、脚立を立て直す前に、その下の枝を引っ張りながら、さし枝も切り出します。全体的に追い込みたいので、外周も一回り小さくなるように、ギリギリまで切り詰めます。
うーん、やっぱりさし枝の左肩上りが気になりますね。ちょうど左側先端の下あたりにツツジの大き目の玉物があるので、その根元にシュロ縄をかけて、枝を引き下ろすことにします。

毎年の剪定で変わっていくお庭 〜2年目〜
 

2年目というのは、剪定においては非常に大切な年だと思います。
1年目はただ小さくする目的で切りますが、次年はその後の樹木の状態を見極めてどうしていくかの方向性を探る年だからです。
また、1回小さくすると、それで安心してしまうお客様もいらっしゃいます。
それで終わりにすると、すぐにボサボサになりますし、次の年にはさらに伸びてしまいます。

樹木にはそれぞれ個性があります。ちゃんと育つ木、怪しい木、庭の中で全てがうまくいくことの方が少ないです。
「サツキ類は緑を楽しむものだから、花はいらないよ。気にしないでどんどん小さくしてよ。こちらもその方がうれしいんだ。」と言ってくださるお客様だからこそ、更なるダウンサイジングを図りたいと考えます。
昨年あれだけ切ったせいか、今年はなんと予算を3割安くすることに成功!
きっと、今までより安い費用でできるようになったのではないでしょうか?
それだけでも、2年目も何とか乗り切れたと安心しております。
次回は3年目。この2年を踏まえた一つの’結果’をご報告したいと思います。

 先ずはどれだけ頭部を切り戻せるかです。葉が一枚程度残る位置までハサミで一気に刈り込みます。それから続いていく枝も切り分けていきます。頭部の大きさを基準に、それより小さくならないようにしておくことが、仕上がりのバランスの良さにつながるものです。

 こちらは昨年別件で頼まれた家の裏手のモッコクです。枝をかき分けてみると、いい具合に四方に太目の枝が出ているので、これも玉ちらしに近い形で剪定します。円柱型でもいいのですが、それだと小さくできる限界と、見た目のすっきりがやや落ちるので、ここでは通り易さも考えてちらしします。

 草取りがまだだったせいで、普段の感じがわかります。年に数回頼んでいるそうですが、やはりそれだけでは間に合わないですね。ツタがツゲから梅、高野マキの上までからまっていました。これはあまりいいことではないですね。人の家のことを言えないくらい我が家もからまっているので難しい問題なのは確かです。その中でどの木も旺盛に伸びているのでほっとします。しかし、最初から調子の悪かった高野マキだけは上から枯れ下がってきています。この木だけはそっとしておきます。梅とツツジ類は前回以上に切り戻します。キンモクセイは昨年サボった枝抜きをしてさっぱりさせます。今年は虫が多いですね。すでに3種類くらいの毛虫の繁殖が幾つかの木で見られます。

 ちょっと頭の下が寂しくなりましたが、切ってよかった。これでこのキャラも全体の方向性を作れました。来年からはそれぞれの枝の充実と成形に力を入れられます。隣の大きなマキの枝が当たっているため頭部もいまいち形が悪いのを何とかしなくてはなりません。
 全てがつながってしまっていた根元も下枝を切ったり、サツキを小さくしたせいで、リュウノヒゲが目立つまで空間ができました。

 昨年、できるだけ小さくすることで、庭がかなりすっきりしてきました。
2年目も、それを引き継いでの作業になります。
低木などかなり切り込んだので、どれだけ芽が吹きなおしたか、でも樹木の育成状態がわかります。
それを参考に、2年目も小さくする木はさらに切り詰めるか、今年は軽くにするか判断します。
 作業時期は昨年から約1年の10月上旬です。
その時期なりの作業ということも、切る場合大切な要素となります。
「いやー、恥ずかしいとこ見られちゃうけど、今年はまだシルバーさん草取りに来てくれてないんだよ。やりづらいと思うけど草は頼んであるから気にしないで。」
気にはなるしやりづらいですが、どっちが先になるかはお互い様ですからね。

さて、前置きはこれくらいで本題に入りましょう。早速奥から剪定作業始めます!

←小さいながら流れの美しい松。形は変則的になりましたが、この枝の垂れ方は芸術です。きっと思っている以上に古い木なんでしょう。

 おかげさまで元気に葉っぱを出してくれたので、さらに切り下げて、さらに枝抜きもしました。頭部が小さくなった分、下に続く枝も幅を狭く切っていきます。来年はさらに太い枝を切り詰めて、もっと涼やかな枝張りに見せる予定です。

 こちらのお宅の木々は玉ちらしに仕立てられているものが多いです。ちらしにする場合表面を丸く刈ると形になりますが、できればひとつひとつ透かしていく方がさらに品が出ます。ヒバを透かすのは時間がかかるので、来年あたりから少しづつ始めていく予定です。

 幹線道路前で、外から目立つマキ。昨年は、母が剪定しましたが、今年は自分が手をかけます。頭の大きさなどかなり小さくなりましたので、今年はさらに小さくします。また、昨年引っ張った枝はさらに下げ、昨年手をかけられなかった枝は、今年初めて矯正します。これでかなりいい形のマキになってくれると思います。
昨年あれだけ透かしたのに、結構よく伸びているのでこちらも思いっきり剪定することができますね。

←梅の枝はかなり切り戻せましたが、形の表現はいまいち。来年はその辺を考えながら切りたいです。頭部から枯れが下っている高野マキは、心配な危険があります。

剪定によって変わっていくお庭をご紹介する2年目になりました。
「今年はどうなるんだか楽しみだよ!」お客様から期待の声がかかります。
昨年ここまできれいになるとは思っていなかったようで、「今まで同じ金額払っていたのにどうしてこうも違うんだろうね。」と実感したようです。
剪定していく中で大切なのは、その庭をどう形にしていくかのイメージです。
大きくする木、大きくしない木、花を咲かせる、実をならせる、そのためにはどう管理していくか、それを庭全体の調和を考えて切っていきます。
一年目に先に目を通されてからお読みいただくと、変化も分かり易いでしょう。

←家の外にある松。考えてみれば、真っ先に目につく木です。実はどんな形にするか模索中です。なるべく道路に出ないように枝先を詰めていますが、まだ足りません。今まで混んでいたせいか、太い部分からの枯れもあり、透かしても樹形が面白くないです。全体に流れるように垂らしたいのですが、まだ若い木のようで上向きに立ち上がって芽も出てきます。お客様は納得しているようですが、自分はもう少し時間をかけて形を整えたいと思っております。

→竹垣で仕切られた中にあるバラ園。白系の花で統一されているのは、お客様の趣味でしょうか。品があって周りの大きな木とも調和しています。

←来年は玉のひとつひとつを透かしてやりたいと目論むヒバ。葉性が違う2本の木があり、チャボヒバとサワラなのではないかと考えております。同じちらしでも、玉の大きさが変わると印象もまったく変わります。

 ←扉の向こうに見える主庭への期待感が高まります。緑一色から色合いも変わります。この演出は素晴らしいと思います。

←この庭の中で、一番玉物や玉ちらしに仕立てた樹木が多い入り口前。こういう演出をするなら、1本1本はすっきりさせないと常緑樹の林になってしまいます。庭の表情が変わる大切なエリアです。

↑木はかなり危険ではありますが、小さくしても実をつけてくれたザクロ。大切にしたいです。

←最初は小さかったそうですが単木の堂々したスタイルを作ることのできるようになった姫シャラ。「こういう形にして欲しかったんだよ!」お客様お気に入りの木になりました。

 昔ながらの蔵とのバランスも良くなってきました。大きいものは大きく、小さくできるものは小さく。さらに石とのバランスを考え、モクセイや椿はさらに幅を狭める予定。

 ロータリーの中央に植えられた松。かなりいい松ですね。将来移植計画もあります。独特の短い葉で、ごつごつした感じは、本当はどういう種類なのかこちらも知りたいです。

 で、昨年仕上げたのがこちら。大体ですが、形のイメージができました。枯れこまずに良く伸びてくれました。今年はさらにこれを切り込むと、下の写真になります。

 モッコクの下枝部分は、はみ出していて人にぶつかるので切りました。キャラの玉物は枯れる危険性から小さくしきれず、周りを小さくすることでこの大きさで残します。

 植え場所を間違ったと言えるオリーブ。ぼさぼさになる木を手前に植えては邪魔になります。しかも、切り詰めると実を生らせることが難しくなります。しかしここでは仕方ないので切ります。昨年に続き大幅に枝抜きします。特に太い枝は切り戻し、細い枝だけ広がるように工夫します。「どうしても自分でやるとこういう風にできないんだよな〜。」とお客様もおっしゃいますが、結局は訓練しかありません。自分の理想のイメージを抱けるようになることと、それを作りえる技術を磨くことです。

 屋敷前のロータリーです。ハウチワカエデはやっぱりだめでした。サルスベリも、まだ半分は元気なんですが、大丈夫とは言えません。「いずれ良くならないなら、どっちも根元から切っちゃって。」と頼まれたので、残念ですが切り倒します。モッコクは思ったより元気ないですね。元はボサボサしていたのですから、もうちょい新芽が出ていてもいいのですが。今年もこれは父に頼んでいます。来年は自分でやれるかな。

 松の葉が所々茶色くなっています。これは毛虫の仕業です。葉についているだけなら木が枯れることはありませんが、かなりひどくやられているので心配なのは同じです。このような個所が何本かの松に見られます。今まではなかったとのことですが、今後の虫の発生は油断ならないと心して欲しいですね。こちらのお客様のように、ご自分で消毒される方はなるべく小まめに消毒を行うことをお勧めします。

 モチノキの刈り込みで高い位置に登ったので、俯瞰的に庭を撮影してみました。木の大きさが適正サイズになっていくと、これだけの数が植えてあっても込み入っていないとすっきりしています。ただし、石屋さんの作った庭だけに、石もかなり多く、植木のつめこみ感があります。余計に剪定の技が望まれます。

 やはり枝抜きして透かすと大きさをどうこう言うより説得力ありますね。木の向こうの景色が見えると立体感も出ます。この辺りはほぼ理想の大きさになってきたと思います。石とのバランスがありますから、どちらも調和する大きさを目指さねばなりません。

 ふた回り小さくすることを目標とします。葉がついているかついていないかくらいまでガリガリに頭を切ります。枝が多いので、これも減らすように元から切ります。

 ここのモチ、モクセイ、ツツジなどもまた伸びました。前回かなり小さくしましたが、できるだけ小さくするように切り詰めると同時に、枝抜きをして透かします。

 枝がぶつかっているところは隙間が空くくらいまで両方短くします。木の裏側にあたる枝は、基本見えないこととお隣の邪魔になるので、思い切って元から切ってしまいます。また枯れこむ可能性も考えて減らしすぎないようにも気を付けます。

 昨年、荒療法で枝を切ったキャラ。枝はそれぞれ独立し、サツキとも区別が出てきました。しかし、もともとすごく元気だったわけはないので、多少枯れこみがあります。まあこの程度で済んでいるなら、今年もいっちゃいましょう!太目なんですが、頭にくっつくように上向きに伸びてやぼったさを強調している枝を今年は切ります。(写真の右2枚で見て取れます)

←玉ちらしにした月桂樹。伸びがいいので荒れやすいですが、スリムにすることで広がらないようにします。

今年も最後にお庭の剪定後を掲載したいと思います。

 梅は来年さらに切り戻したいと思っております。ツゲもできるだけ刈り込みましたが、小さくなったと言えば小さくなったかな?くらいですね。10月の刈り込みですから、葉のないところまで全体を切るのはリスクが高いです。今年のように来年も旺盛に伸びるようなら、3年目は冒険してみてもいいかもしれません。他も切り戻しましたが、姫シャラはいい形になってきたので低くする切り方はせず、少しは大き目なものも残すようにバランスをとります。

 こちらもよく伸びましたサザンカです。塀から引っ込むまで毎年ガンガン刈り込みます!

 少しでも下がれば、後はこちらの腕次第。剪定の仕方によってほぼ平行に見えるようにし、先端部分は下がっているように見せます。夕日に映すと、枝の隙間から空が見えてどれだけさっぱりしたかがわかります。他の枝も同様に引き下げて品のある入り口前のマキにしていきます。

 左端にシュロ縄を通して引き下げてみました。
上記の写真と変わっていない?そうなんですよね。思ったほど見た目に差がありません。しかし、実際は左の先端が下がっています。これだけ太く、長い枝をシュロ縄一ヶ所で変えるのですからそう思うようにはいきませんね。

相嶋造園

↑ローソク状に刈り込んだチャボヒバと南天。