剪 定

松の手入れ・実践編

我が家の松を題材に、実際の手入れを見てみましょう。

 これから自分が手入れするのは家にある、特殊な形をした赤と黒のハーフ松です。
赤松風に枝を垂らしてやわらかい仕上がりにしようと思います。

元々お客様の家の門を飾っていた松です。移植の際に長さを3m近く詰めました。
全体が、細長く丸い形をしていました。
数100歳の樹齢の松です。お客様の希望で、我が家に息づきました。

先ずは長さを詰めます。長く伸びた枝や内側を向いた枝は今後樹形を狂わすので切ります。
詰める際は、枝分かれしている付け根から切りましょう。
慣れないと難しいですが、先端から新芽が伸びるので、
新芽がないところで切ると、その枝は枯れます。
赤松風に枝を垂らしたいので、上向きの枝も切っていきます。

次に、葉むしりです。松は新しい枝葉が伸びると、古い葉は枯れ落ちます。枯れ葉は当然ですが、枝の先端付近までの枝もむしります。
厳しい親方ですと、手袋をはめて作業をしていると、怒られます。それほど松の手入れは繊細なものです。
左下の写真は、親指で今年伸びる新芽を欠こうとしているところです。これを書くと同業者に文句を言われるかもしれませんが、先端で大きく
膨らんだ芽を欠くことで、その年の伸びを少なくすることができるのです。我が家はどこのお宅でもそうしておいてあげます。
手入れすると、右下のようにすっきりした手入れ後になります。

このねじれが木の古さを物語っています。

まったく見えなかった幹が透けて見えるようになりましたね。
実際には、部分部分で枝のかたまりを作り、枝同士にアクセントを持たせてあります。
自分は木の生理に逆らってまで形を変えたくないので、最小限に縄で引っ張るように
手入れします。
先端だけはもっと伸ばしたいので、新しい竹を当てて、誘引しました。

五葉松の手入れ

同じ松でも、五葉松は一番時間がかかるでしょう。葉が細かい上に、枝の作りを誤魔化せ
ないので全てに同じだけの時間を使うからです。
適当な植木屋は、お客様のお宅でも、刈り込みで済ませます。
我が家は、丁寧な手抜きをすることで、よい品質で短時間を目指しています。

手入れ方法は、上記の松と基本的に同じです。
こちらは垂らすというより、上向きの枝葉を均等に透かしていく作業になります。

これは別の松ですが、途中から二股に分かれた頭をしているので、
別々に手入れして二つ頭の松にしているところです。

先ずは頭から形を作り、枝の分かれ目を探っていきます。

後は一つ一つ枝が独立するように分けるのですが、
荒れていた樹は、かなりの枝をしゅろ縄で矯正しないとよくなりません。

最後に幹を磨いてあげることも大切です。
のこぎりの背や、鎌などを用いています。
古い樹皮を削ぐことで、中に害虫が侵入することを防ぎ、樹木自体の活性化を促すこともできます。

滑らかな肌が復活しました。

枝数を約1/3まで減らすことと、古い葉をむしってあげます。

相嶋造園

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