シンジェンタ・ジャパンさんで、農薬について学ぶ

野田市農村青少年クラブ、通称4Hクラブの研修に、シンジェンタ・ジャパンさんにお邪魔しました。

相嶋造園

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 シンジェンタは、スイスに本社のある農薬メーカーです。
スイス、ギリシャ、日本などのメーカーが合併することにより誕生した、最大手の農薬メーカーです。
 農薬部門、種子部門の売り上げをあわせると約1兆円に達し、世界第1位です。日本ではシェア11%、4位となります。
 syn(ギリシャ語で’結ぶ’)、genta(ラテン語で’人’)を組み合わせた言葉が社名となっています。

 農薬なんて使わないで野菜を作れればその方がよい、と思う気持ちは変わりません。けれど、現状で農薬を使わずに野菜が作れるのか、となると質やコスト面でかなり難しい注文です。
 それに農薬は結局毒だから、と毛嫌いしているだけでも進歩はありません。その矛盾に光明を見出すべく、農薬メーカーを直撃することにした次第です。

 所長自らが、スライドを用いて会社と農薬のことを教えてくださいました。

 お邪魔した中央研究所は、茨城県牛久市にあり、作られた農薬を日本で使う場合の効果、申請登録などをするための試験をするところです。

 施設の模型。7ヘクタールの敷地に、主に稲作用の農薬の試験が行われています。
 グループ全体では、年間900億円の開発費、5000人にのぼるスタッフが研究開発に取り組んでいます。5万件の化合物を作ったら、製品になるのはそのうち1件がいいところだそうです。
開発4年、試験4年、申請登録2年、一つの農薬が世に出るには、優に10年の月日が必要なわけです。
 所長曰く、要望があれば、技術的に作れない農薬はないそうです。問題はそれに見合うコスト面。慈善事業ではありませんものね。でもそのせいで、画期的でも世に送り出せないものもあるそうです。

 研究開発費の中で、もっともかかる費用は何か?それは安全対策費だそうです。このための試験が、こちらでも一番の重要事項とされているそうです。
 では、今の農薬は安全なのか?率直に聞いてみました。現在の農薬においては、発がん性物質は皆無とのこと。農薬の使用でがんになることはありえません。同様に、以前のように何でも殺せる便利な農薬はないそうです。今はピンポイントで、この虫にしか効かない、しかも卵に効いても幼虫には効かない、など本当に特定のものにしか効かないことで、周辺への影響や、その畑にあった薬剤を選択できるようになっているとのこと。
 それに、国の安全基準が厳しいこともプラスできるでしょう。現在の国内の基準では、安全とされる残留農薬量の100分の1を許容量とする厳しさ。適正に使う上では、人体、環境に影響はほとんどないように考えているようです。むしろ怖いのは、輸入野菜です。特に中国産のほとんどに、気にした方がよい数字が出ていますよ。

 水田以外にも、植木や野菜についての試験も行っています。
 農薬を試験するためには、虫について、病気について知らねばなりません。その過程から、病気に強い種子や、殺菌剤をコーティングした種子などを生み出してもいます。

 半日直接お話を伺うことで、今までに考えていた以上に、農薬は厳しい規制と試験のもとで作られていることがわかりました。
 気をつけなければいけないのは、だからと言って無害ということはありえないということ。やはり使わないで済めば、使わないに越したことはないものです。
 研究者自身も、この野菜を買って食べているわけですから、真剣に負荷の少ないものを模索している姿勢には敬意を表したいとは思います。

今回は、大変勉強になった一日でした。